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くがねまう いわいざけのみ くだをまく

【文字数:約900文字】

 新年あけましておめでとうございます。noteでは本年も木野子きのこを推す所存のりんどんです。スキを押したら、ほら、そこに。

 ヘッダー画像は今年の金箔入り酒で、去年も同じようなものを飲んでいた。

 ちなみに奈良時代は黄金こがねを「くがね」と読んだそうな。

 父が元旦の生まれということもあり、誕生日を兼ねた新年の祝い酒として買ったものの、母も同じようなものを買っており、年の初めから「血」を感じました。Oh my blood.

 前は何かしら品物を選んでいたけれど、ほぼ無趣味なため食べて飲んで消えるものになり、言祝ことほぎも一緒くたになっている。

 古今和歌集に収録された前太政大臣の歌として、

年ふれば
 よはひは老いぬ
  しかはあれど

花をし見れば
 物思ひもなし

 というのがあり、年月が経って年老いたけれど桜の花を見れば物思いに沈むことはない、とかそういう意味らしい。

 父は芸術などに興味がない人間なので、歌にある「花」を時代劇やドラマの「相棒」に変えれば、たぶん成立するような気がしないでもない。

 それにしても前太政大臣を「さきのおほきおほいまうちぎみ」と読むとか難読が過ぎる。

 ◇

 家族そろって雑談の苦手な人間ばかりなので、去年に相次いで亡くなった親戚とその親についての話を端緒に、疲れそうな親族の終活話で盛り上がった。

 親族経営の会社が集まっている土地柄と風習で、ものすごく大変だったろうな、想像するだけで疲れるなどといった話をして、合間に酒を飲みつつ過ぎる1日。

 両親そろって親戚と疎遠だし、父に関しては加入していた地区のグループが解散し、たいした額でもない相続問題で揉めたこともあって、例年よりも静かな元日の風景だ。

 前に職場で元日は親戚縁者で集うのが通例で、毎度バツイチなのをいじられるのが嫌だという人がいた。

 それはツラいですねと同意しつつ、大人数での集まりは楽しそうだと思ったりもした。

 父母ともにそういうのから逃れたかった側だろうけれど、ないものねだりをするのが人間なので、いつか今とは違う元日が迎えられたらなと。

 起きながら夢を見るのは病的だと自嘲しつつ、新年のご挨拶といたします。


なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?