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苦手な排泄支援の乗り越え方

福祉に携わる人たちが必ず乗り越えていかなければならない仕事内容がある。それは排泄支援。誘導をしたり、後処理したり、交換したりと様々な関わり方がある。

排泄は、生物としての生理現象であるうえ、人の暮らしのなかで、極めてプライバシーの高い領域であり、健康のバロメーターとなる大切なもの。

このように暮らしのなかで、重要なものと分かってはいるが、この排泄支援にカルチャーショックを感じる新入職員も少なくない。

そこで、これを乗り越えるキーワードがある。

それは、嫌悪感と抵抗感。

まず押さえるべきは、「嫌悪感は、人として持ち合わせてよい感情」と捉えておくこと。
他人の排泄物を片付けたり、見たりすることが超絶大好きな人は、そんなに多くはないはず。少なくとも、19年この仕事をして、そんな人に出会ったことはまだない。だから、この感情は、持っておいても大丈夫なものなのだ。

一方で、「抵抗感は、医学的知見と実践観察の数をこなせば、個人差はあるが、必ず薄れていく感情」と捉えてみて欲しい。
尿がオレンジ色であれば、脱水を疑ったり、便が黒色であれば、腸内からの出血を疑ったり、必要な手立てを見つけていくプロセスがある。このプロセスを幾度となく繰り返し、見聞きし、当たり前に共有していくと不思議なもので、経験年数とともに、この抵抗感は薄れていくのだ。

このように排泄介助については、そのまま持ってよい感情といずれ薄れていくであろう感情の2つがあることを理解し、そして、このことは、入職前の求職者にも説明しておいた方が、入職後のミスマッチを回避できるものと思う。

楽しいことばかりでなく、必ず通る辛いことも隠さず説明し、これを受け入れてくれる人を採用すればミスマッチはない。

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