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UXを言語化する

概要

京都のスタートアップ企業であるBaseconnectでプロダクト企画・デザイン部門の責任者やってるRinaです。今日はUXについて語ってみます。

UXって何?

UX(User experience)直訳すると「ユーザー体験」ですね。当然ながらここまでは皆さん理解されているかと思うのですが、ISO 9241-210において「製品、システム、サービスを使用した、および/または、使用を予期したことに起因する人の知覚(認知)や反応」と定義されています。

つまり、時系列において「使用を予期したタイミング」で発生するというところが私的にはポイントだと考えています。それは何故かというと、サービスやプロダクトを見る前からユーザーにとっては「やりたいこと、解決したいこと」が生じていて、その時点でその人物にとっての過去の経験から「やりたいことの具体的なイメージ」や「解決したいことの解決方法の一例」が頭に思い浮かんでいるからです。

実は、自称UXデザイナーと言っている人ほどこの思考が弱い気がします。UXを考えるときに自社のサービスありきで考えること自体が間違いですし、あくまでユーザーが自分で想像した体験が世の中の常識やこれまでの体験で作り上げられているという視点から分析すべきと考えています。

これまで世に出回っていない斬新な体験をさせる場合には、これまでの体験が「こう置き代わるんですよ」ということを実感させてあげる必要があり、逆に当たり前に期待する体験については裏切らないことが重要です。

UXの言語化とは

では、あらためてUXの定義「製品、システム、サービスを使用した、および/または、使用を予期したことに起因する人の知覚(認知)や反応」からUXというものを言語化していきたいと思います。

次に注目するのは「人の知覚(認知)や反応」の部分です。つまり、ユーザーが期待する体験が無意識にある状態ではなく、何かの事象をきっかけに具現化された状態を指すと私は考えています。”何となく困った”、”何とか解決したい”ではなく、こういう点が困った、こういうことが為されれれば解決される、といった思考が出た時点でそれはユーザーにとってのUXが生成された瞬間なのではないかと。

そして、過去の自らの経験から「こういう点が、この部分に支障をきたすから困っている」「こういうことが為されれば、全てでは無いものの解決に近付ける」など、ありとあらゆるレベル感で想定の思考が生まれるはずです。こういった一般的な経験値の人が想定する反応を言語化するのがUXである!と私は勝手に思っているのです。

UXの言語化で何が叶えられる?

ユーザーとなり得る人、個々人が持っている一般的な経験から想定するであろう思考そのものがUXなので(一般的では無い思考も全て起因するものが同じであれば同じUXだが、言語化する必要があるのは市場となる一般的なUXである)、これが言語化出来ると「ユーザーが求めていること」「ユーザーが解決したいこと」について共通認識を持った状態でサービス設計が行えるわけで、ペルソナもその手法の一種である。

ただ、個人的にはペルソナはあまり役に立たなくて嫌いなのです。理由としては、ペルソナってユーザー思考の言語化というよりは一般的なユーザー思考を持った人をイメージさせるだけなので、思考の言語化にまで至っていない点。どちらかというと、思考の言語化が難しい人が簡易的に作るものであったり、言語化したものを読み取ることが難しいメンバーに対して共通認識を取るためといった意味合いが強く、曖昧さが強く残っているのです。

つまり、UXとは思考の言語化から始まると言っても過言では無いと私は勝手に思っていて、「人の知覚(認知)」についてターゲットとなる人の想定される経験値から発生するであろう思考そのものであると言えます。

そしてUXの本質へ

そしてまだ触れていない「反応」の部分がサービス・プロダクト開発におけるUXの本質。ここまでで述べた思考を持ったターゲットとなる人が何かに直面したときに行う「反応」こそが世の中で言われるUXそのもの。そしてそのUXを意図的に設計してユーザーを導くのがUX設計なのですが、その話はまた後日・・

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