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スペイン10 日本は1日3食ースペイン・バルセロナは?

旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

「あなたは、一日何食食べますか?」


そんな分かり切った質問?と、あなたは思われたと思う。
私も1日の内の食事は、3食以外の答えなんてないと思っていた。
ただ、そうでない国だって、いくらでもあるのだ。
それを大いに知ったのが、ここ、スペインだった。

ゆるい朝ごはん後の、ガウディ

夜まで色々な場所を案内くれた、スペインの兄・カルロは、昼に近い朝にぴったりの爽やかなポップスをセレクトして、見事DJと料理人という仕事を成し遂げてくれた。
遅めの朝ごはんを楽しんだ後、ガウディ建築制覇のために向かったのはもちろん、サグラダファミリアだった。

永遠の憧れ・サグラダファミリア


「わ……!建築様式が、他の教会と全然違うね」
「僕達は、これが当たり前で育ったから、他の教会の方が違和感ある位なんだよ」
なんとも羨ましい、バロセロナ市民達だ。

誕生・受難の門は、壮大な物語がとても細かく描かれていて、ガウディはスケールが大きいと同時に、とても繊細な芸術家だったことを思い知らされる。
目の当たりにする物する物に感動してしまう私に、カルロは嬉しいと隠し撮りをしたり、説明をしてくれた。
特に感動したのは、ステンドグラスが反射し、カラフルに光る教会の内部だ。
「天国って、こういう所なのかな」
「そうだなぁ。バルセロナの、一つ目の天国かも。バルセロナには、天国がいっぱいだから」


教会の塔にも、上がることができた。
昨日のグエル公園より近くから、太陽に煌めくバルセロナの景色を楽しめた。
「これから、あの辺りのビーチに行くよ!ウィーンでは川遊びだったけど、ここでは海で遊ぼう!」

オリンピック村のビーチへ


サグラダ・ファミリアの塔を降りると、カルロの友人達と合流できた。
マドリードの時と同じく、Facebookでお互いの顔を見たことがあった彼らと私は、すぐに打ち解け、みんなでオリンピック村のビーチへと向かった。

全員小さすぎて、誰一人としてバルセロナオリンピックの記憶はなかったが、両親が今でも当時の思い出話をしてくれるおかげで、まるで自分が体感したかのように、バルセロナオリンピックのことも話すことが出来た。
日本の柔道や空手の話が一息つくと、今度はバルセロナでも人気の寿司の話題と、話は次から次へと湧いてくる。

「Rina、日本では寿司や刺身以外、どんな物を食べるの?」
「そろそろビーチでピザを食べようって話してるけど、食べられる?」
「もちろん!日本人もピザ、大好きだよ」
「良かった!じゃあ、バルセロナ名物のシーフードピザを、Rinaに食べてもらおう!」
今からちょうど、買い出しに行くという。
「バルセロナのピザ屋、どんな感じなの?私も見てみたいなぁ」
「じゃあ、ちょうど僕が買い出し係だから一緒に行こう!」

ほとんどの友人はバルセロナ出身でカルロの幼馴染だったが、ピザの買い出し係だった留学生アハメドは、レバノン出身だった。
「レバノンって、初めて聞く名前!どんな国なの?」
「聖書やコーランでも出て来る国なんだよ!」
アハメドとのお喋りのおかげで、私はレバノンという国を知るだけではなく、身近にすら感じることができた。

バルセロナ・ピザ


この日2食目、ランチに当たるピザの1つ目は、アメリカンピザのごとく、たくさんのシーフードが溢れんばかりにピザにのっていた。
「2つ目はこれだって!」
「わぁ、こんなに大量のハムまで、食べられるの?」
さすが、生ハムが美味しい国だけある。
日本の「生ハムとルッコラのピザ」とは比べ物にならない生ハムの量が、嬉しい所だ。

ビーチにて、ピザ片手にシエスタ


アハメドのピザ運びを手伝っていると、ビーチでカルロ達が凧をあげて、手を振って待っていてくれた。
ダークブルーのビーチは、アンダルシア地方で見た海の色とも大西洋の色とも違う、カタルーニャならではの色をしていた。
凧揚げを久しぶりに楽しんだりしながら食べた大量のピザは、私達を幸せにし、かつウトウトさせた。
波を感じながらの、シエスタ。
「日本の波の音と、似てる?」
「音自体は、日本海と似てるかも。でも空気は、全然違うなぁ……」
当たる風が、スペイン人と同じく素直だった。
柔らかく物言いたげな風ではなく、気持ちいい程に真っ直ぐに、私達の髪をもてあそんでくれる。

即席カラオケコラボ

髪が首に巻きつき、また心地よくなって目を閉じ出すと、カルロ達が気持ちよさそうにスペイン語で、聴き慣れた歌を優しげに歌って来る。
「……とってもだ〜い好き、ドラエーモン……て……なんで知ってるの?」
輝く太陽が眩しい中も、驚きで目をかすかに開けた。
「ウィーンで話したじゃん!小さい頃に僕達、いっぱい日本のアニメを見てたんだよ」
ピザのシーフードや生ハムが、まだ口の中で余韻を残している中、バルセロナのカラッとした波の音と一緒に、「ドラゴンボール」や「キャプテン翼」、色々な歌が彼らのスペイン語のカラオケで流れてくる。
私が日本語で参戦すると、彼らはますます喜んでくれた。
うたた寝しながら、ここでしか生まれないハーモニーを感じた。

気がついたら、もう夕方だった。
「Rina、日本語で歌を聴かせてくれてありがとう!」
「明日は、踊りに行こう!」
カルロやバルセロナ出身のカルロの友人達、そしてレバノンのアハメドと食べたピザとシエスタは、一日分の量と楽しさだった。

19時・ゴシック地区のカフェにて

「だいぶ目が覚めて来たから、ゴシック地区に行こっか!Rinaの好きそうなお店がいっぱいあるよ」
カルロの友人達と別れ、日が沈み出して来た頃、カルロはゴシック地区へ連れて行ってくれた。
そこにあるカテドラルは、サグラダ・ファミリアのような強烈な印象とは違う伝統的な美しさで、さすが「ゴシック地区」にある教会だけある。
そしてカルロは、小路に潜むカフェに、軽い足取りで入って行った。


「19時半に、カフェ?」
「うん!何時に何を食べる、なんて決まりはないよ。このホットチョコレート(ホットココア)、最高に美味しいから飲んでみよう!」
「それじゃあ、このチョコレートケーキも注文しよっか!」

ビーチでピザを食べた時は、今日ももう何も入らないと思ったのに、人間とは不思議だ。スイーツは別腹なのか、濃厚なチョコレートの組み合わせを、カルロに負けずあっという間に制覇してしまった。
「別腹にしては、食べ過ぎちゃった」
「そう?Rinaの茶色い口は、まだまだ食べれるって言ってるよ!」
チョコレートで茶色になった互いの口を見て、笑い合った。

小路でのプチ・ファッションショー


ゴシック地区はアパレル店もたくさんあったが、ZARAやMANGOよりも個性的な店も多かった。
「このお店で、フォーマルな服は大体買うんだ!Rinaもいっぱい着てみようよ!」
カルロと店員さんに盛り上げられ、その店のファッションモデルの様に何着ものワンピースやジャケットを試着した。
狭い小路を散歩したり買い物をしていたら時計は21時を回っていた。

「歩き疲れたよね?タパスを食べよっか!」
「ええ?さっきデザートも食べたし、私、もう食べれないよ」
「はは、そっか。じゃあ、ビールやサングリアだったらどう?」
「飲み物なら、まだ入るよ」
「いいね、リナ・コラーダ!ピニャ・コラーダも、ここならあるかも!」
カルロお勧めのお店は、バルセロナでも人気のバルの様だった。

21時・バルセロナで人気のバールにて

私がピニャ・コラーダを飲む中、カルロはいとも美味しそうに、タパスのトルティージャ(スペイン風オムレツ)、カラマーレス・フリートス(イカの揚げ物)、オリーブ、アイノリが乗ったパンなどを平らげて行く。
「カルロ……やっぱり私も、一口食べてもいい?」
「あはは、そう来ると思った!何口でも参戦してよ!」

まさかの4食目となったタパス、見事半分は食べたのでは、と思う。
終電ギリギリの時間に、丘からのバルセロナの市街も楽しみ、カルロの家に戻って来た頃には日が変わっていた。

アンコール

「盛りだくさんな一日だった〜!ありがとう、カルロ!お腹もパンパン!」
「Rina、そんなこと言いながらタパスも美味しそうに食べたよね。じゃあ最後は、ウィーンで約束した、オリジナルパスタで締めよう!」
「カ……カルロ?!嬉しいけど、い……今から?」
「うん!ほら、君の好きなサッカーの試合の録画を見て、待ってて!」
この日5食目は、深夜にカルロが作ったアーモンドパスタ。
一口でお手上げと思っていたが、情熱的なリーガ・エスパニョーラを見ながら、気づいたらいつの間にか半分、そして一皿となくなっていた。

あなたの最多記録は、1日何食?


カナダでの経験から、食べすぎには気をつけようと思っていた。
でもこのバルセロナでは、そんな制限はすっかり外れてしまった。
「明日は私、2倍の体重になってそう」
「大丈夫、明日も体重が吹っ飛ぶほど、プランがいっぱいだから。どこまでも、楽しもうね!」

確かにバルセロナの食べ物は美味しいし、毎日がただただ楽しい。
この際体重なんて、どうでも良くなって来た。

バルセロナ滞在時の「1日5食」という最多記録は、未だ破られていない。
1日に何食ほど食べられるか。
身体を壊さない程度に、スペインに行ったらぜひ試して頂きたい。

#グルメ #スペイン #バルセロナ #サグラダファミリア

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