ポルトガル1 ポルトガルにいる実感が湧く時
訪問国12 ポルトガル
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪
本当に国境を越えた?!
「スペインまで来ていて、ポルトガルを見ずに帰れる訳はないよね!」
私達はスペインの国境を超えて、エヴォラに入った。
受胎告知の銅像、ローマ時代の銅像など、スペインでも見た重厚なカテドラルや遺跡が私達を圧倒した。ただ、スペイン国境を超えた実感が、まだ湧かなかった。
スペインとポルトガルの違い
「スペインとポルトガルって、何が違うんだろう?」
「大航海時代でいうと、コロンブスとマゼランがスペイン人で、ヴァスコ・ ダ・ガマがポルトガル人という所かな」
「確かに。地理でいうと……乾燥した気候……どっちも同じかぁ」
地理が大好きだったみゆも、歴史の方が好きな私も、いまいち両国の違いを見つけることができないまま、リスボンに到着した。
ポルトガルにいた「あの人」
プーチン大統領も泊まったという5つ星ホテルで喜びくつろいだ後、私達はリスボンの町へと繰り出した。
町を歩いていると、お土産屋の露店が並んでいる。
「あ!ロナウドのユニフォーム!」
「理菜ちゃんがよく話してる、サッカーのクリスティアーノ・ロナウド?」
「そうそう!みゆ、フルネームで覚えてる!」
少年や現地の若者に混じって、私達もそのユニフォームで写真撮影をした。
ここはサッカー界に欠かせない、あのクリスティアーノ・ロナウドの母国なのだ。
「ポルトガルにいる実感が、一気に湧いたね……!」
「きっかけがサッカーっていう所がさすがだよ、理菜ちゃん」
最初にここがポルトガルだと意識させてくれたのは、クリスティアーノ・ロナウドだとは。
例え私がフェルナンド・トーレス の大ファンでも、彼もやはり、素晴らしい存在感だ。
そして翌日、快晴の中でベレンの塔、発見のモニュメント、ジェロニモス修道院を観光していたら、なんとも気持ちの良いサラッと乾いた風が、私達を出迎えてくれた。
「今の風、なんかスペインと違う…!」
じわじわと、自分達がスペインからポルトガルに移動した実感が湧いてきたが、それを決定的にしたのは、首都のリスボン以上に、サーファーの町としても有名なナザレだった。
カナダ滞在以来、再会した大西洋
「わぁ、ここも快晴!みゆって、どこまで晴れ女なの?」
「任せて!天気予報が雨でも、晴れにさせるよ」
奇跡を起こす女子、みゆには尊敬しかない。
真っ青な大西洋が、姿を現した。
大西洋とは、カナダ滞在以来の再会だった。
元々漁村だったというナザレは、スペインのミハスよりも波が荒々しく、よりワイルドな印象だ。
美しいビーチで聞いた、壮大で幸せな波の音はカナダのそれと、どことなく似ていた。
「真っ青だなぁ……」
「イタリアのアズーリブルーも迫力あったけど、スケールではここには叶わないや。西の果てだもんね……」
「この大西洋の向こうには、昔ホームステイした、カナダのハリファックスがあるから、すごく懐かしいよ」
「あのカナダの?理菜ちゃんホームステイの写真、覚えてるよ!」
カナダから見た大西洋と、ここナザレから見る大西洋が交わり、当時の14歳の自分が
「大西洋の向こうまで見せてくれて、ありがとう!」
と喜んでいるように感じた。
当時のホストファミリーや、語学学校の友人達、色々な人の顔が目に浮かんだ。
ポルトガルの西の果てまで来たおかげで、カナダの頃まで思い出せるなんてと、胸が熱くなった。
「こんな所に立ってると、まるで自分がヴァスコ・ダ・ガマみたいな航海者になった気分だね」
「うん、世界を航海する……ロマンだなぁ」
私達は、世界クルーズでまたここに来ようと約束した。
大航海時代を感じられる、「果て」+グルメ
「果て」
それは、私達をより勇敢にしたり、気持ちを盛り上げてくれる場所なのだ。
そして、西の果てはやはり、スペインではなく、このポルトガルなのだ。
これは実際に、あの大西洋を肌で感じた者でないと、分からない感覚だと思う。
「スペインとポルトガルは似てそうだし、スペインだけでいいや」
という人もいるようだが、とんでもない!
このクリスティアーノ・ロナウドの母国であり、より航海時代を感じられるポルトガル、とりわけ大西洋海岸の村々を、ぜひとも訪れてほしい。
そして海辺の町では、素朴だが美味しい「イワシの塩焼き」も、海岸の波を五感で感じながら、食べて頂きたい。
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