pm5.0

二、三言しか話したことのない人の母親が亡くなったという話で、呼吸がうまくできなくなり、気の利いた会話もできなくなった。SNSで自分と無関係な芸能人のニュースに噛み付くようなどんな架空人格よりも身勝手な、共感の顔をした悪魔。そんな同情があっさりと人の心を殺すことをわかっているのに、泣いて、マットレスに重力を預けることしかできず、全て自分の世界と繋げて考えるなんて勘違い自己肯定女。なのに、吸い取られてしまった。世界がそのまま回っているのが不思議だった。事情を知らない第三者のかける言葉が全方位に牙を持って、なぜか胃に刺さって昼に食べたものを戻した。性善説に期待しすぎなんだ。悪口は、はじめから遠ざけるべきだった。生きてる人が脳死の不誠実に殺されている場面を見た。全部自分ごとにしたら死ぬのに放っておけない。トマトのリコピンもオレンジのビタミンも、食べたものは全て流れ出て、言葉の添加物が身体に沈殿した。燃え殻は捨てないといけないのにどんどん溜まって、灰皿満タン。口が渇く。土足脱いで。時計の秒針を折りたい。進む、進む。何で、目の奥が死んでいるのに笑顔なの?私の取り柄は視力。ぜんぶ目に入る。

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