マガジンのカバー画像

デブでブスの令嬢は英雄に求愛される

22
デブでブスな令嬢ジュリア。「私に足りないのは美貌と愛嬌だけよ」と豪語し結婚などとは無縁で優秀な領主としての道をばく進する彼女に突如求婚してきたのは魔王殺しの英雄ルディ。はたしてこ…
運営しているクリエイター

#ファンタジー

デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第1話

「俺に、ジュリア様に求婚をする権利をいただきたいのです」 その言葉を聞いた瞬間、思考が停…

陸路りん
6か月前
2

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第22話

「ちょ、ちょっと話し合わないかしら?」 「申し訳ないけど遠慮させていただくわ。貴方とは話…

陸路りん
4か月前

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第21話

 防具や武具は決して新しいものではないが、よく手入れをされた質の良いものだった。 (随分…

陸路りん
5か月前
6

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第20話

「彼女は噂通り、素晴らしい王女様ね」  その様子を遠くで扇越しに眺めながら、ジュリアは呟…

陸路りん
5か月前

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第19話

 実はロザンナ・シーガルはジュリア・レーゼルバールと同等の伯爵の地位を持つ、しかしそれ以…

陸路りん
5か月前
4

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第17話

 どんどん、と乾いた音を立てて空砲が空へと打ち上がった。  それと同時に美しい花吹雪が辺…

陸路りん
5か月前
2

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第16話

「お久しぶりです、殿下。本日もご機嫌麗しく……」 「麗しいように見えるのかしら?」  うふふ、と微笑む顔は完璧に整って晴れやかだが、その心中では嵐が吹き荒れていることだろう。身体の前で組まれた手は強い力で握りしめられ、皮膚に皺を刻んで震えていた。  ぎゅうううううっ、と強い音が聞こえてきそうだ。  一体どうするのかとハラハラして見守っていると、ルディは一度王女を見つめてから目を伏せ、そうして静かに再び口を開いた。 「申し訳ありません。少々配慮が欠けていたようです」  殊

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第15話

「ごきげんよう、ジュリア・レーゼルバール。突然の訪問の無礼をわびるわ」  その言葉はとて…

陸路りん
6か月前

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第14話

 パンパカパーン、パーパーパーパンパカパーン!  早朝から鳴り響く管楽器の音にジュリアは…

陸路りん
6か月前
2

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第13話

 三日月が雲の隙間からわずかにのぞいていた。ベネノの森はおおい茂る葉に更にそのただでさえ…

陸路りん
6か月前
2

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第12話

 周囲がピンと張り詰め、二人が対峙したまま事態は膠着した。しかしそんな緊迫した空気を無視…

陸路りん
6か月前
3

[小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第11話

 ぱんぱかぱーん、ぱーぱーぱーぱんぱかぱーん。  まぬけなラッパの音がする。何故まぬけに…

陸路りん
6か月前
2

[小説]デブでブスな令嬢は英雄に求愛される 第10話

 さて、どじっ子アレッタと愉快な仲間達と過ごして十数日、思いの外穏やかな日々を享受してジ…

陸路りん
6か月前
3

デブでブスな令嬢は英雄に求愛される 第9話

 目の前に置かれたハーブティーを手に取り恐る恐る口に運ぶ。幸いなことにそれは多少味が薄いような気はするものの、そこまで飲めないような代物ではなかった。向かいではルディも落ち着いた様子でお茶を飲み、ジュリア同様に思ったよりはマシな味だったことに目を見張ると頬を緩めてアレッタに「大変美味しいお茶です」とねぎらいの言葉をかけていた。  その様子に良くまぁ臆面も無く、とジュリアは嘆息する。  ジュリアのメイドに普段もっと美味しいお茶を入れてもらっているくせにまずくはないものの美味し