"リーダー不足"【サッカー日本代表 中国戦】

気迫が感じられない。今の日本代表の試合を見てていつもそう思う。特に今回の中国戦では、キャプテンの吉田麻也の不在も大きかっただろう。昔は川島や本田が声を張り上げて味方を鼓舞したり要求を激しくしていた。今はそういうエネルギーが全くと言っていいほど見て取れない。
それがやはりプレーに現れていたのだろうか、ペナルティエリア付近での思い切った仕掛けがほとんどなかった。本田香川時代の代表のプレーを見返すと、もっとスムーズにボールを動かし、前へ前へという攻撃で点をとっていた。
今はプレースピードもとても遅い。アジア相手の試合が多いから必然的にポゼッションは多くなるが、現代サッカーで成功を収めているマンチェスターシティやリヴァプール、バイエルンミュンヘンなどのポゼッションサッカーには、プレースピードの速さが当然ある。ハイプレスでの回収も早い。
日本代表はただのボール回しに近い。

選手個人で言えば、大迫はフィニッシュやラストパスの精度がもっとほしい。古橋が怪我から復帰すればトップは古橋に任せたほうがいいだろう。セルティックスで見せている動き出しの良さは、今の日本代表に必要なはずだ。トップ下はフランクフルトで技巧を見せている鎌田を推す。ゴール前でのアイディアやテクニックは、久保や堂安といったドリブラーともまた違った良さがある。また、中央の選択肢としては南野もある。サイドでは思うようにプレーできていないようで、リヴァプールで得たハイプレスはトップで活かしてほしい。ただ、出場機会や結果からみても南野はファーストチョイスではないと思うのは筆者だけだろうか。
左サイドは三苫に期待したい。ベルギーでは文句なしの活躍で、ずいぶん前からなぜ森保監督は三苫を使わないのか不思議だった。最近復調してきている中島も良いだろう。

右は堂安や久保、今回両ゴールに絡んだ伊東と、層が厚くだれが出ても期待できる。システムを4231ではなく433にして、両サイドをウイングにしたらより前線の攻撃が生き生きとするのではないだろうか。

中盤は田中碧が存在感を示していた。ダブルボランチの守田と遠藤も安定していた。

今回は攻め込まれる形が殆どなかったこともあり、センターバックはそこまで心配はなかった。
 問題は左サイドバック。長友に代わって入った中山が直後にアシストという形で結果を残したが、そろそろ世代交代しても良いのではないかと思う。守備的な中山も今回のように質のいいクロスが上げられるとわかれば、攻撃力時にも心配はいらない。

三苫が少し下の位置でのプレー機会も増やしているため、むしろ三苫と組むなら中山が適任になるだろう。

右サイドバックは、Jリーグで結果を残している山根を見てみたい。すでに代表でゴールも上げているように、攻撃参加も申し分ない。

森保監督には、柔軟な選手選考と明確な戦術をもって改革を行ってもらわないと、このままでは世界と戦うにはあまりにも力不足だと感じる。西野監督が短期間でワールドカップを戦った際には、森保監督がこの3年半で築いてきたものよりも安定した日本代表だったように思える。
1番は監督交代で新しく生まれ変わることが、見ていてワクワクする、強い日本代表への一歩だと思う。

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