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古代ギリシャの意識高めな健康空間

健康やウェルビーイングへの意識が高まりつつある現代ですが、古代ギリシャでも健康意識高めの地域があったようです。


古代空間からみる健康意識

エピダウロスという古代ギリシャの湾岸都市があります。
ギリシャ神話の名医であるアスクレピオスの聖地とされていて、現在は古代遺跡として劇場が残されています。

当時は複数の建物があったようです。
医療施設を中心に、劇場、温泉、宿舎、スポーツ施設、レストランなどがあったとされています。
健康のための癒しセンターといったところでしょうか。
医学薬学による治療だけでなく、音楽、入浴、スポーツ、睡眠、また水や木の音、鳥のさえずりに癒されて過ごしていた施設と考えられています。


健康のための癒しとストレス除去

古代のエピダウロスでは、健康に過ごすために音楽鑑賞や自然からの癒しが必要という考えがあったであろうといわれています。
音楽の演奏を聴いたり、スポーツを楽しんだり、温泉に入ったり、水の流れや木々の音を聴たり、かなりリラックスできそうです。

現代でも、コンサートやスポーツ観戦を楽しんだり、温泉やキャンプなど自然を楽しんだりすることで、ストレス発散やリフレッシュできますよね。
疾患予防にもストレス軽減は大切です。


ストレス蓄積による身体への悪影響

ストレスが蓄積することによって、精神的ダメージ、不眠などの精神的な影響はもちろんですが、疲れ、肩こり、消化器不調、免疫力低下、癌リスク上昇などなど、様々な身体への不調も引き起こされることがわかっています。

古代のエピダウロスではすでに、健康にはストレスに対してもアプローチすることが重要であることがわかっていたのかもしれません。


近年の日本の医療施設、高齢者施設では・・・

白い壁面、無機質な素材が並ぶ空間は、癒し空間には感じられにくいでしょう。
モダンなインテリアが好き、モノトーンのお部屋が好きという方でも、その空間にはアートが飾っていたり、柄のファブリックがあったり、観葉植物が置かれていたりと、何かアイテムが追加されているはずです。

日本の病院、クリニックなどの中には、殺風景な無機質の空間で冷たく感じられる施設や場所もあります。本来、人を癒したりストレス軽減を図る必要がある場所にもかかわらず、リラックスしにくいでしょう。
現代には、古代エピダウロスの施設のような癒し空間が求められつつあるかもしれません。


現代の暮らしに必要とされ始めているもの

ウェルビーイング思考の高まり、働き方改革やおうち時間の増加によって、空間装飾やインテリアに注目する方や企業も増えています。
観葉植物やアートを飾るオフィス、大きな窓から自然の日差しが入りやすいように設計された住宅、生活リズムを整えやすくするような照明など、より過ごしやすくなる空間の工夫している事例が増えてきています。

実際に、観葉植物やアートを見ることでストレスが軽減される可能性があることは研究が進んでいますし、観葉植物の配置によって作業パフォーマンスが上がるという研究結果もでいています。
日光や照明をうまく活用することで体内時計が調いやすくなり、オンオフ切り替えやすくなったり快眠が期待できることは医学的にも研究結果がでています。

また病院にアートを取り入れたことで、患者の鎮痛剤投与量が減った、うつ症状が緩和された、働く人に精神的余裕が生まれた という報告もあります。


さいごに

ストレスは心に影響を与えるだけでなく、おなかの不調や免疫力低下、癌リスクの上昇など身体へも様々な悪影響を与えます。
ストレスと聞くと仕事内容や人間関係が関係していると思われがちですが、気温、湿度、たばこや食品添加物などからもストレスを受けています。もちろん過ごす空間も影響しています。

現代人は室内での生活が9割といわれています。
ストレスのかかりにくい空間、ストレスを軽減できる癒し空間が求められてきているでしょう。
健康には食事や運動も大切ですが、空間から健康も意識してみてください。


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