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どこにでもいる人間の半生1

私は物心ついた時、父と母と3歳年上の姉と4人で暮らしていた。

両親は飲食店を経営していたが、父のギャンブル癖が大きな要因で、母は次第に夜もスナックで働くようになった。

父は家にいる事が少なかったが、ゲームが大好きで、家にいる時は大抵いつもゲームをしていた。

コンセントにつまづくと凄く機嫌が悪くなる。

そんな時は夜中でも、母の手により私と姉は車の中へ押し込まれた。

幼い私からはそれ以外では面白くて優しい父だったが、のちに聞くと母にはよく手をあげたりしていたそうだ。

母は働き者で、スレンダーな人だ。
母の明るい人柄もあり、飲食店は繁盛していた。

優しいし、怒られた覚えも特にないし、毎晩寝る前にキスをしてくれた。

夜、母が仕事に行くと姉と2人で留守番をする。
当時まだ未就学児だった私は、寂しさを紛らわす為に母の勤務先へ電話をかけていた。

姉はそんな私に、ママは忙しいから邪魔したらダメ!と、度々注意していたと聞いた。

これものちに姉から聞いたのだが、電話をかけると姉が翌日母から注意を受けていたそうだ、姉には申し訳なかったなぁ、と思った。

私はよく父方の祖母と叔父の家に泊まりに行っていた。

叔父は毎回レンタルビデオ屋さんでアニメを借りてくれるし、穏やかな人だった気がする。

祖母も優しかった、私が、婆ちゃんが作るチキン南蛮が美味しい!と言うと、連日晩御飯で出てきたし、朝ごはんはいつも私の好きな小さい納豆海苔巻きをせっせと作ってくれた。

これが私の幼少期の家族、家庭環境だった。


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