「繊細さん」の免罪符が苦手な話。

よくある、「スルースキルを持っている人は幸せだ」「スルースキルを持っている人は何故幸せなのか?」みたいな本をみると、とても虫唾が走るもやもやとする。

分かってるのだ。スルースキルが大切であることなんて。そんなんあなたに言われなくてもわかってるので黙ってくれません?といいながら、私はいつも本を閉じる。そのせいでそういった類の本を最後まで読めた試しがない。

スルースキルを持ちましょうと言われなくとも、スルースキルがどれだけ大切なのか、”気にしい”な人は皆分かっているだろう。
HSPだとか繊細さん向けのなんだとかの本を見るたびに、私はいつも疑問に思う。それを見て、素直に「よし、そうしよう!」「よし、私はこういう人間だから良いんだ!」と受け止められる人はどれぐらいいるのだろうか、と。

少なくとも、私はとてもひねくれもので天邪鬼で、人を信じることができない弱いひよこのような人間なので、受け止めることができない。

「いやわかってる」「そんなん全部知ってる」「いわれんでもわかっとるわ」「むしろなんであんたに言われないといけない?」
(まじでひねくれているが、こういうもの以外の自己啓蒙本は読めているので心配しないでほしい)

本を見たところで、解決策がどこにもないじゃないか。「生き方を模索」「あなたはこういう人です」そういわれたところで、あまりピンとこないのだ。

私は正解がほしい。スルースキルを持とうと言った後に、具体的なスルースキルの持ち方を教えてくれないか?別に知らないあなたに認めてほしいわけではなく、私はこれを直したいのだ。

解説なんていらない。自分が一番分かっているから。

もちろん、本に書いてあることが全て自分に当てはまるとは限らないし、私向けに書いてくれている本ではないから仕方ない。もしかしたら、どこかに正解が書いてあるはずで、正解を見つけようとする行為がダメなのかもしれない。(いや、わかってるんだけどね。正解とかじゃなくて、受け止めろって話でしょ?キリスト教みたいなこと言うじゃん)

『繊細さん うざい』


と、ネットで調べると出てくる。もちろん全員が全員うざいわけではないし、ネットの声を見てみれば、「自分がHSPだからというのを免罪符にする人が嫌い」という、至極まっとうな意見をたくさん見た。

ぶっちゃけて言うと、私もその意見に同意だ。私はとにかく生きにくい性格をしているし、毎日なにかに不安を抱え、毎日これで大丈夫なのかと心配になりながら眠る。自信なんて一つもなく、石橋をハンマーで叩きながら歩くぐらいの小心者だ。

指摘されれば泣く。もちろんその場では受け止めるが、イライラはする。誰かに陰口を言われているんじゃないかと気にもなる。私の言葉で傷ついていないか、私の言葉は場を乱さなかったか。毎日一人大反省会だ。

それでも、「これが私だから」とは思っていない。毎日スルースキルを身に着けようともがいている。毎日、自分自身に「気にすんな!」と言い聞かせている。それはきっと「直すべき」ことだと思うからだ。

自分がHSPだから、繊細な人間だから、という理由を免罪符にして逃げるのは少し違うだろう。もちろん、逃げずに立ち向かってる人だってたくさんいるから、すべてが全てうざいわけではないことも、分かってほしい。

なんというか、HSPであることはメリットでもデメリットでもあるわけで、それは人ならば誰しもが持っていることだと思うのだ。負けず嫌いは長所にもあれば短所にもなる。コツコツと真面目にできることは、長所でもあれば短所でもある。

そんなもの、当たり前だろう。誰しもが持ってる特徴に過ぎない。

なので、自分から「私HSPなの」と言ってる人をうざいと言ってる人がいるのも、仕方のない話だ。私もそれはうざいなと思うし。

私は自分のよくない部分であると思っているから直そうとしているし、これでも結構直ってきたほうだとおもっている。なので10年後は、「スルースキルを持つための100個のコツ」みたいな本でも書いてやろうと思っている。
回答編だって必要だろう、きっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?