お金を稼ぎたいからフリーランスになるのは違うと思うお話。

会社員時代、月に平均90時間の残業をしていた。始発で出勤、終電で帰宅。それが当たり前だった。

月に90時間も残業をしていると、給料はわんさか稼げる。最高だった。忙しいから夜ご飯も食べられない、睡眠時間は5時間未満でいつも眠い。だけど、給与明細を見るときだけは幸せを感じていた。
しかし、ある日心がぽっきりと折れた。

上司のパワハラだ。

残業することが当たり前と思っている会社の雰囲気だ。

友達がツイッターでつぶやく「今月20時間も残業した~つら~」の言葉に、腹が立ってしまったことによる、ひがみだ。

その時に思った。

「あ、私今、性格くっそ悪い」

全ての人に当てはまるわけではないと思う。残業時間がたくさんあるから性格がひん曲がる人は少なくはないだろうが、多くもないだろう。残業時間にお金が見合っていれば満足できる人は多い。私も例にもれずそうだった。そうであったはずだった。

知らないうちに心が疲弊していたのだ。何を見てもイライラするし、元来アニメ大好きゲーム大好きオタクだったのにアニメがみれないゲームができない。私以外の友達はアニメも見てるゲームもしてる。ラインでピロンと「今日ゲームしないー?」なんて言われれば、泣きそうなぐらい辛かった。

そこで気づいたのだ。私に必要なのはお金じゃない。時間だ、って。

そこでまず、転職をした。

残業から逃げようと思った。私は、残業から逃げるためにフリーランスになったわけじゃない。稼げていたが、稼げなくても良いから残業をしたくなかった

研究職から一点、経験のないSEへ転職した。転職した会社は、一切残業がなく、パワハラもなかった。とても楽だった。毎日19時には家に帰れるし、稼ぎたいわけじゃないから給料は下がったが、そこに対して不安を持つことはなかった。

副業もはじめた。それが、webライターの一歩目だ。

しかし、徐々に会社に対する悩みが芽生える。無駄な会議の時間、無駄なアナログチックな仕様、周囲の社員のキラキラとしたやる気についていけない自分、自分は何をしたいのだろうという疑問。

残業がなくなったから良いではなく、本当にこれで満足できるのかなというよくわからない漠然とした不安が、心の片隅に芽生え始めた

元々文章を書くのが好きだった。だからwebライターをはじめた。月に2万円程度かせげれば良いかと思った。ただ、副業と本業を併用することが、自分の人生に対して良いのかと疑問を感じた。

そこで、私はフリーランスへと転向した。

一言で言ってしまえば社会不適合者だったのだ。組織があっていない。自分のしたいように働きたい。文章を書きたい。webライターだったら、自信をもってやる気を持って頑張れる。

稼ぎたいからという理由ではなかった。月に20万円程度報酬をもらえれば旦那の扶養内で働けるし、自分にストレスを抱えずに生きていられると思ったから。

よく、フリーランスやwebライターは稼げると勘違いしてる人がいる。
稼げるわけがない。頑張らないと稼げないのだ。クライアントと繋がらないと、稼ぐことはできない。自分の学習だって必要だし、常に連絡だって取る。

人とコミュニケーションをとるのが嫌いだからフリーランスになる人もいるが、そんなのお門違い。フリーランスこそ、人と話す機会は多い。

「残業時間が馬鹿らしい、残業している時間あったら副業する。」

それもお門違い。残業時間は別に馬鹿らしくはない。ただ、残業で稼げるお金よりも、残業時間を使って「アニメ見たい、おいしいごはん食べたい、趣味のプラモを作りたい」なら、残業時間はもったいないだろう。あとは、残業時間に見合ってない給料も、勿体ない。

しかし、お金が欲しいからフリーランスになるのはいささか早い。まずは転職を考えたらどうだろう?フリーランスよりは明らかに会社に所属した方が安定的に稼げる。

副業をしていて、副業のほうが圧倒的に稼げるならフリーランスも良いかもしれない。しかし、本当に?残業時間を副業に回したら本当に稼げる?

フリーランスは、不安定な仕事だ。安定的に稼げない月もある。だから、お金を目当てにフリーランスを目指すのは、あまりおすすめしない。

自分のために時間を回して、自分のしたいように仕事をし、自分が自信を持てることを仕事にしたい人なら、フリーランスが良いだろう。

それ以外は、転職やアルバイト、パートが良いと思う。

フリーランスは、お金をメインとして目的にするといつか失敗するし、後悔するかもしれない。

どうか、きちんと考えた上でフリーランスになってほしい。

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