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「叱る依存」がとまらない

「叱る依存」がとまらない 村中直人

今日はこの本について書きます。
先日、「〈叱る依存〉がとまらない ~だれもが生きやすい社会の実現のために~」というテーマで村中さんの講座があることを知り、そちらも受講しました。
村中さんの考えには共感するものが多く、子育て中の方、支援者、教育関係者、その他、人を叱る可能性がある人、全てに読んでいただきたい本だと私は思いました。

私自身も子育て中は、「叱る」ということに常に悩んでいました。我が子が独り立ちした時に社会の中で生きていかれるように、必要ならば「叱らなければ」と思っていました。それが親の務めだとも思っていました。

でも、私がいくら叱っても、子どもは私が思うような行動をとりませんでした。私自身はその当時、カウンセリングを受ける機会があり、そこでの体験が大きな気づきになりました。

そこで受けたカウンセリングにより、私が子どものためと言いながら、子どもが自分が願うような姿にならないことに対して、そのままではなんだかわからないが子どもが幸せになれない気がする…と思い悩んでいたことは、結局のところ「子どもの問題ではなく私の問題だ」と気づきました。

さらに、今この本を読んで、あぁもっとこの本に早く出会いたかった、心底そう思いました。私の子育てはもう終わってしまったからです。でも、私は保育士になって今は支援者として働いているので、この学びを今後の仕事に生かしたい、そう思っています。

本をぜひ読んでいただきたいですが、
・「叱る」には「叱る側」に良いことがあるので、そのご褒美的な感覚によって、「叱る」ことがやめられなくなる。(依存性がある)
・「叱る」ことで、「叱られる側」に「叱る側」が求めている姿になるような学習・成長の効果が見られることはない。
・「叱る」が効果を発揮するのは、危機介入時のみ。そして上手に「叱り終わる」ことが大切。
・「叱る」は事が起きてからの「後さばき」であり、相手に求める事が伝わり変わってもらうためには「前さばき」が必要。

ということが、脳・神経学的に人体の仕組みや社会背景と共に説明されていて、これまで自分や自分以外の人の中に感じていたモヤモヤとした「叱る」という、効果がないわりに人々の中に市民権を得ている行為の不思議に説明がつく感覚がありました。

保育園や幼稚園、学童でも「叱る」は日々大人から子どもへ行使されていました。私の想像以上に、子どもの教育・福祉の現場では「叱る」ことで子どもをコントロールすることが、正当化されていました。でも、私の目には「叱る」ことで子どもが言うことを聞いたように見えるのは、一時的であり、なぜそれをしてほしいのか・してはいけないのかの理由が伝わっておらず、さらに本意が伝わっていない子どもたちに対して、叱る行為はエスカレートしていくことが常で、「叱れば叱るほど」大人は疲弊していくように見えました。

この方法は誰も幸せになっていないのでは?

ただ、漠然とそう気づいていても、根拠はなかったのですが、村中さんの著書を読みと講義を受けたことで、今後は今までよりぶれずにいられそうです。

村中さんを検索したら、こんな動画が。
私は本を読むことをお勧めしますが、本を読まない方は、こちらでも大まかな村中さんの考えを知ることができます。

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