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読書記録⑤湊かなえ「豆の上で眠る」

 こんにちは。読みに来てくださってありがとうございます。今回は最近読み終わった湊かなえさんの「豆の上で眠る」についてしょうかいします。「あらすじ」には裏表紙に書かれている以上の情報は書きませんが、「感想・考察」にはネタバレが含まれているのでご注意ください。

あらすじ

 小学1年生の時、結衣子の2歳上の姉の万祐子が失踪します。周りの人の目撃情報をもとに警察、親族などが捜査をしますがなかなか発見されません。しかし失踪から2年後、姉を名乗る人物が帰ってきました。自分以外の家族は喜びますが結衣子だけは大学生になっても違和感を抱き続けています。そしてある日、真実にたどり着くミステリー作品になっています。

感想・考察

 まず、大学生になっている結衣子の視点と過去の結衣子の視点が交互に出てくるという進み方に最初は戸惑いましたが慣れたらすらすらと読み進めることができました。特に、「姉」が帰ってきてからは次々にストーリーが進んでいきとてもワクワクしました。しかし、読み終わった時にはとても陰鬱な気分になりました。それには2つの理由があってまず1つは結衣子が周りのほとんど全員から裏切られていたように思えたからです。両親と万祐子には姉のことを隠され、結衣子は遥を求めていたにも関わらず遥自身は結衣子やその両親のことをすぐに捨てて本当の親のもとへ行き、なっちゃんには平気で嘘をつかれていました。なぜなっちゃんが嘘をついていたのかは書かれていませんでしたが、作中での描写からみんなの中のリーダー的な人でいたかったからではないのかなと思います。陰鬱になった2つ目の理由は誰も幸せになってないように感じたからです。結衣子が姉たちについて真実を見破った際、それを受け入れたようには見えなかったし、これから仲良くやっていけるような描写も見られなかったからです。
 湊かなえさんがイヤミスの女王だとは知ってましたが今までに「ブロードキャスト」しか読んだことが無かったため、そこまででは無いだろうと思っていましたがかなり怖かったです。


 以上になります。他にも読んだ本の紹介などをしているので読んでいただければ幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました!

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