【読書メモ】内田和成『ビジネススクール 意思決定入門』40
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Part3「人間のクセ」を知る 09合理性と感情 「頭の良い人の答え」が正しいとは限らない
Q9-3aとQ9-3bへの反応の違い
Q9-3a
もといた従業員が辞めてから、競合に合わせて下げられた時給で新たに従業員を雇う
ほとんどの人が「公正」であると考える
Q9-3b
いまの従業員の時給を、競合に合わせて下げる
だいたいの人が「不公正」であると考える
競合が安い時給で雇えたからといって、自社の従業員の時給を下げてはいけない、と考える
コピー店の「経済性」だけを考えれば同じこと
「公正」の基準で考えると、まったく違う見え方になる
Q9-3bで「公正」を選ぶ人は、極めてドライで合理的な人
→経営に冷徹さが求められることはあるが、反発を受けることは間違いない意思決定には、「経済合理性」だけでなく「公正さ」も吟味しなければならない
人の感情に配慮した意思決定が、「合理的な意思決定」と言える
感想
マキアヴェッリが『君主論』のなかで、「冷酷さは上手く使え」「愛されるよりは恐れられよ。ただし、憎まれてはならない」という主旨の言葉を残したのを思い出しました。
経済合理性だけでも、公正さだけでも、会社はうまく経営できないと思います。アリストテレスなら、その中間の「中庸」を狙えと説くのでしょうが、その匙加減など、皆目検討がつきません。
観点一つ切り替えるだけで、これほどまでに見える景色が違います。すべての人から合意を得られるような落とし所を見つけるのも大変ですし、実行するのも大変です。
そう考えると、意思決定者に必要なのは、適切なファシリテーション力ともいえるのではないかと思えてきます。
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