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【対談】AC×AC ~奈落~ 【ノンフィクション】

「 あぁ……自分の知能が低くなったらどんだけ楽だろうな 」

こう聞くと凄く人をバカにしたように聞こえるだろう。実際記事にしている私もそう思う。でもACである人ではこう感じている人は少なくない。

普段生きて生活している時はそんなに問題がない。自分の見たくないものや損すると思う者は関わらないようにして全て切り捨てられるからだ。しかし家族となるとそういうわけにはいかない。損得も大事であり、離婚のときも損得で終わる程憎しみ合う事も解ってはいるが、通常家族って損得で測れるものではないと私は思っている。

旦那にたいして正論を吐き続け管理しつづけた結果、現金650万円、不動産400万円の財産を旦那に残して離婚した一人の女性から聞いた話。

彼女が離婚する時に寄って来た男が今回の旦那であった。母親は毒親で片親だった彼女は毎日のように虐待を受けていた為、離婚しても帰る場所がなかった。そんな路頭に迷った彼女を口説いて転がり込むように付き合う事になったのだ。元々建築業にいた旦那は、日頃から尻にひかれるタイプの男で、離婚すると言われたらマジ泣きして彼女を食い止めるような男であった。

彼女は物事をハッキリ白黒つけるタイプで内面はともかく普段は気の強い性格である。

そんな二人の生活は旦那が仕事もいい加減で福利厚生もないような仕事であったので、もう少し福利厚生などもちゃんとしている地に足がつくような会社に転職させ、彼女はその管理をし飯を作り、洗濯をして生活をしていた。

結婚したいという旦那の申し出も何度かあったが、旦那の仕事がいい加減な性格を鑑みて、現実的な思考回路をもつ彼女はお金が安定していない旦那に全てを委ねる事は流石にできず、ずるずると約10年同棲カップルを続けた。

そんな彼女も、親のことや、彼女も働き始めて仕事がどんどん軌道に乗り稼げるようになった事。マンションも旦那名義で買い支払っていけるようになった事。順風満帆とはいかないまでも、金銭的には余裕が出来てきたのでいよいよ結婚をする事になった。

しかし結婚という繋がる約束を果たした旦那の糸はそこでとうとう切れた。

安心を手に入れた旦那はSNSに嵌りだし、朝まで配信者と話したりして仕事に行かなくなっていった。これではダメだと彼女も思い、マンションのローンなどもあるから、あっという間に生活できなくなるだろうと考えて何度も説得を試みたがもうダメであった。

そして離婚となり、彼女が切り詰めて管理をして貯めた約650万円と売ったら差分400万円のマンションを旦那に与えて家を出ることなった。

旦那は自由とそこそこの金銭を手に入れて爆発したかのように遊び狂った。

650万円あった貯金は2か月で400万円を切り、もう2か月たった頃にはマンションを売る事になった。

もう彼の行動を客観的に見ていればわかると思うが奈落の底はすぐそこだ。

彼はきっと色々な人に相談して離婚をする決意に至ったのであろう。

彼の今までの行動と性質

・仕事をすぐ休んだりしてしまう性格で一つの仕事が長く続かないタイプ

・お金はあったらあっただけ使ってしまう

・誰かに管理してもらわないと社会人として生きていくのも困難    (起こしてもらう・家事・管理、説明など)

彼女の今までの行動と性質

・彼の行動など間違っているから信じられなくて当たり前。結婚なんて絶対に今のままじゃ無理という現実派。

・前夫と離婚後無職の状態で同棲をする。仕事をしないかわりに周辺の世話や家事、金などの管理、生活ルールなどの取り決めを行っていた。

(後で聞いたが、働くなと言ったのは旦那であったらしい)

・仕事を始めるが思った以上に成果がでてしまいその辺のサラリーマンの年収を超えてしまう。

離婚を切り出した旦那の理由を要約すると正論がもう怖いらしい。

しかしこれは自分で蒔いて自分でかかった洗脳です。奈落の底はあと一歩です。

この旦那は自分は今の生活がツライという事を周りに愚痴ります。それは結構誰でもある事です。辛い事を周りに言って慰めてもらうのは良い事だと思います。

しかし自分が相談しているので、「なぜこの仕打ち」「なぜこのやり方」をすっ飛ばして相談します。つまり自分が悪かった部分があり、現在このルールになっていますまで話をするわけがないのだ。

旦那の愚痴

「 俺自分で稼いでいるけど自由に使えないんだよ 」

自由に使えない理由

「そもそもあったらあっただけ使ってしまうため、結婚となると苦労するのが目に見えているから」

旦那の愚痴

「 昔転がり込んできたときは俺が面倒見てやったのに 」

彼女が働かなかった理由

「 旦那が嫉妬深く他の男に取られる確率が高くなると思い働かせなかった」

これが本来の理由であり彼女が対応してきた軌跡だが、みんな旦那の愚痴だけを聞けば

「 その女酷いよね。ろくでもないね。働かない癖に 」

になり、聞いているうちに旦那の知能は低いので、どうしてそうなったかの理由をすっかり忘れて、「 そうだ!俺は悪くないんだ! 」と本気で思い始めます。

離婚を切り出した旦那に対して彼女は家族を損得で切れるものではないから現実的に「 それでやっていけるのか 」 「 性質は変わっていないのだ。だからそんな自由に暮らしていたら破綻するのも時間の問題だ 」と割と底辺な当たり前の事を彼女は言っているのだが、もう旦那の耳には届きません。

旦那の頭の中は「 俺は悪くないと言ってくれる人が大勢いる 」「 ひどいのはなんでもがんじがらめにしてきたこの女だ 」

マンションを貰ったのに離婚して4か月程度で手放さなければいけなくなった元旦那。400万円プラスになって喜んでいる旦那。

良かったねーと言ってくれる元旦那を盛り上げてくれるSNSの仲間。

そして……

いずれ破綻した元旦那を見て、更にネタとして盛り上がるであろうSNSの仲間!

奈落の底はあと一歩。あれだけ「 君は悪くないよ。離婚しちゃいなよ 」と言っていた仲間だけが笑うのだ。

正論が悪いのか、ダメな部分を制御するのが悪いのか。

もちろんダメになってゆこうが本人の自由である事は理解できる。

でも家族ってそういうものではないのではないかと思うのです。

                                RIN

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