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値引きしても全体の売り上げは落ちるかも/昼と夜でCVRが違う場合の仮説

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こんにちは、くにたけりんと申します。
まずは、この記事を読もうと思ってくれて本当にありがとうございます! 

今回は二本立てです。
1本目は「値引きしても全体の売り上げは落ちるかも」、
2本目は「昼と夜でCVRが違う場合の仮説」です。
つまり、今回の記事はゴリゴリのマーケティングのお話となります笑
よろしくお願いしまーす!


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本題に入る前に、今回の記事は著書「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」を参考にしております。めちゃめちゃ勉強になるので、ぜひチェックしてみてください!

さていきましょう。


1.値引きしても全体の売り上げは落ちるかも

なかなか自分たちが販売しているものが売れないときに思いつく対策法の一つに「値引きする」があると思います。
こと日本においては値上げをするのは禁句で、いかに価格を維持しながら一単位当たりの製造コストを上げるか、もしくは値引きをするか、基本的にはこの二択に迫られますので、全ビジネスパーソンは値引きというカードを常に持っています。

値引きをするとどうなるでしょう。今までは高くて買ってもらえなかった顧客が振り向いてくれたり、今まで購入してくれてた人が喜んでくれてさらにリピートしてくれるようになったり、メリットは考えれば結構挙げられるかなと思います。

一見最高の施策と考えられる「値引き」や「セール」。
しかし、個人あたりの利益や長期的な経営という目線から値引きを考えてみると、意外とデメリットしかなかったりします。

どういうことか。
まず、顧客一人当たりの利益の計算方法は
一人当たり利益=LTV(×粗利率)ー獲得単価(CPO)
となります。

LTVはざっくり、その人がある一定期間でどのくらいお金を落としてくれたのかの総量です。
獲得単価は一件の購入にいくらかかったかを表すもので、
広告費÷購入数
となります。

要は、一人当たりの利益を大きくするには「リピート回数を増やす」「一件の注文を獲得するのにかかるコストを下げる」主にこの二つが考えられるということです。

では、ここで「値引き」をするとどうなるでしょうか。
まず、確実に購入数は上がると思うので獲得単価が下がり、そこはメリットとなります。
しかし一方で、その商品を作る際にかかるコストが変わらないのであれば一つ売れることで得られる利益は落ちることになるので、値引きしていないときに得られていた利益を下回る可能性があります。また、どれくらい値引きするかによりますが、今まで以上に売り上げや利益を出そうと思ったら当然これまで以上にリピートしてもらわなきゃいけません。商品がありふれたこの時代に毎回毎回ライバル商品に勝って自分たちの商品を選んでもらうのはそう簡単なことではありません。リピート数が足りなくて全体としての利益もこれまでより下がる可能性もこれまた大です。

ちょっとだらだら説明しすぎたので簡潔にまとめると、値引きによって獲得コストは下がるがLTVも下がるので利益としてはマイナスになる可能性がある、ということです。
一見メリットしかないように思える値引きも、こうやって細かく因数分解していくと実は節々を痛めていることがわかります。

これは短期的で定量的なお話ですが、長期的に考えてみるとどうでしょう。
値引きによって商品を買ってくれるようになったお客さんは、その商品の持つ特徴やクオリティに惚れて買っているのではなく、「価格」を買っているのです。その商品の本質的な価値に惚れているのだとしたら値引きせずとも買ってくれてたわけですから当然です。値引きがきっかけとなってその商品に惚れ込むことはあるでしょうが、値引きで釣ったお客さんは他社の値引きで離れていきます。また、そういったお客さんは質が悪いことが往々にしてあります、クレームつけられまくり…

こう考えると、値引きでお客さんを集めようという考えは自ら価格競争という名のレッドオーシャンに飛び込んでいることと同義であることがわかり、コモディティ化したこの時代に価格競争で勝てるのは一番安い商品「のみ」です。二番目に安い商品はいらないんです。
長期的にみても、その業界で1位の安さで売れるぐらいの企業でない限りは、価格を売りにするのはやめといたほうがいいでしょう。


2.昼と夜でCVRが違う場合の仮説

CVRとは、コンバージョンレートといいまして、HPに来てくれたお客さんのうちどのぐらいの割合で購入したかを表すものです。計算式は
購入数÷クリック数(もしくは遷移数)
となります。

これが高ければ高いほど、ターゲット設定の精度が高く、そして自分たちがターゲットとした人たちに対して適切にアプローチできている、と考えられます。

ただ、このCVRは同じターゲット層にアプローチして同じLPの内容であっても昼と夜で結果が変わることがあるそうです。それはなぜでしょう。

まず、マーケティングでよく出てくる数字やデータ(CVRとかCPOとかCVとかCTRとか …)は、単に数字やデータでしかなく、ここからどのような仮説を作りどういうふうにそれらの数字やデータを読み解くかの読解力が大切になってきます。単に数だけみて減っているから上げるよう施策を打とうとするのは、マーケターではなくデジタルオペレーターであり、いずれAIにとって変わることでしょう。
そうではなく、人間でしか出来ないような、数を読み解く力や問題定義の能力がめちゃくちゃ重要ということです。

それを踏まえた上で、CVRが昼と夜で違う場合に僕らがやるべきことは「なんでなんだろう?」と仮説を立てて検証していき、その上でデータや数字を参考にすることです。

実際、なぜ昼と夜で違うのでしょうか?一つ考えられる仮説としてあるのは、昼はながら見モードで、夜は購入モードであることが多いから、があります。
昼は電車の中に乗っていたり、ご飯を食べながらネットサーフィンしたりしてることが一般的です。この時は、とくに何か買いたいから広告やLPを見ているのではなく、ただ情報を得るために見ていると考えることができます。また、いざ買おうと思っても電話がかかってきたり電車を乗り換えなきゃ行けなかったりして、兎にも角にも忙しいため、購入までなかなか辿り着けないということもあり得ます。
一方で夜は仕事も終わってある程度やるべきことを済ませ時間に余裕があります。何かを買うぞモードでなくても、気になる商品があれば他の似た商品と比較検討もできるので「よし買おう!」となりやすい可能性があります。また、人間は1日で判断できる数が決まっており、起きてから時間が経つにつれ前頭前野のパワーは減っていき、判断力や意思力が鈍ってきます。朝は「今日はお酒を飲まないぞ!」と意気込んでいても、夜になると「やっぱいいや、飲んじゃえ」となりがちなのはこういったことが関係しています。夜にCVRが高いのも、判断力や意識力低下による衝動買いや自分へのご褒美だからといった心理が働きやすいからだと考えられます。

こういうた仮説を立てた上で、じゃあどういう施策を打てばいいだろうか?一つあるのは、昼にLPを見た人に夜も簡単に見れるようブックマークをつけといてねと促したり、夜にこのページをみないとあなたは損するかも的なある種の脅し文句を載せるとかして、昼に見た人を夜もみさせる導線を設計することです。
昼に見た人は潜在顧客である可能性が高いのだが、せっかくLPまできてくれたのに忙しいから購入できなかった、時間があるときに見てくれたら購入してくれていたかもしれないのにすっかり忘れられている、なんていう取りこぼしは勿体無いです。

何回も言いますが、数字やデータはこういったことが起きているんだと知るためのきっかけにすぎません。読解力をつけることで得られる真実があり、そこからどう施策を打つべきなのかまでを考えるのが人間のお仕事です。

今一度、目の前のデータから取りこぼしていることはないか、立ち止まることが重要だと感じました(偉そう!!!)


ということで長くなってしまいましたが、今回は以上となります。他の記事も是非チェックしてやってくださーい!
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