定期テスト
1 定期テスト廃止の動き
全国各地で6月は定期テストが行われている時期ではないだろうか?
今回は定期テストについて考えをまとめてみたい。
定期テスト廃止については5年前くらいから議論されてきた。
私も約20年以上前に定期テストを行ったが、この期間だけとにかく詰め込み、テスト期間は苦しい思い出しかない(もちろん詰め込み型の勉強をしていたので点数も悪かった)
定期テスト廃止の先駆けとなった元麹町中学校校長工藤先生の取材をした本の中に似たような記述があった。
普段から学習習慣をがついている人には「テスト期間」というとまた違った感覚を持つかもしれないが、定期テストは苦行というイメージを持つ人は多いのではないだろうか。
付け加えると麹町中学校は定期テストを廃止したが、テストの廃止をしたわけではない。(2019年の時点の話です)
このように「定期テスト」は廃止されたが、テストは無くなっていないのである。それは私が所属する自治体で同様の改革を行なっている学校も同じである。
大切なのは「定期テスト廃止」の理由である。
工藤勇一さんは「中学校は社会で活躍する人材を育てる場所」と述べている。社会で活躍するためには一時的に知識を詰め込んで成果を出すよりも、学び続ける習慣を身につけることが必要ではないだろうか。
つまり、学校としてどのような生徒を育てたいのか?
と言うことを話し合い、その上で定期テストを続けるのか、続けないのかを考えることが大切だろう。
2 定期テストあるある
定期テストの時に決まって職員室ではこのような会話になる。
「全然点数が取れない」
「あれだけ教えたのになぜ間違うんだ」
「(転勤してきたばかりの先生は)前の学校ではもっと点数が取れたのに」
という言葉が聞こえてくる(もちろん数人であるのだが・・・)
読者の方は気付いたと思うが、これは生徒批判ではなく自分(教師)批判である。
点数が取れない→授業内容が本当に伝わっていない
前の学校との比較→現在の学校で授業が合っていない可能性がある
と私は感じる。(私自身は納得したテストの結果が得られているのかと言うとそうではない。せいぜい上記のような発言はしないように気をつけるくらいである。)
3 定期テストからカリキュラム改革を考える
なぜ定期テストの話からカリキュラムの話になるかと言うと、もうすでに定期テストありのカリキュラムが崩壊していると感じているからである。
工業化社会の発展のために一定程度の力をつけるための教授法としては一斉授業は機能していたかもしれないが、今はみんなインターネットで繋がれ、寿命が伸びて、学び続ける社会になった中ではカリキュラムを変えなければ対応できないのではないだろう。
現在は、自由進度学習やイエナプラン、国際バカロレアなどを取り入れる学校も増えてきている。
個人として自由進度学習などを取り入れている先生もいらっしゃると思うが、できれば「社会で活躍する人材を育てる」と言う視点に立って、思い切ったカリキュラムの変更を進めている自治体がすでにある。
しかしながら全ての学校がこのように特色のある学校にならなければいけないと言うことではない。
現行のカリキュラムにマッチしている生徒も多くいることはわかっている。
(マッチしていない生徒ばかりであれば不登校の生徒は今の人数の数倍以上に膨れ上がるだろう)
つまり、地域の中で特色のあるいくつかの学校を生徒が選べるようにすれば全ての学校がカリキュラムを変える必要はない。
また、これは教師も同じである。教師も学校を選べるようになれば、教員離れも少しは改善するのではないだろうか。
4 最後に・・・
私個人としては定期テストを通じて、やはり授業に課題があり、授業改善が必要だと感じた。
私の立場で今できることは、明日からの授業改善と発信活動くらいである。
現状の授業スタイルに満足することなく、私自身も生徒と一緒に学び、社会で活躍できる人になっていきたい。
今回の話の参考にさせていただいた本
・北九州子どもの村小学校・中学校(福岡県)
・伊那市立伊那小学校(長野県)
・三河サドベリースクール・シードーム(愛知県)
・横浜シュタイナー学園(神奈川県) の学校の取り組みが紹介されています。
元広島県教育長の平川さんを取材した本です。
広島県の様々な改革の取り組みが紹介されています。
広島県はイエナプランを公立の学校で取り入れています。
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