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抱きしめて...夏

 残暑の候。10:45に家を出発しようとしたが、いつものことだ。10分遅れで出発した。
途中寄り道をしたことにより、京阪電車枚方市駅12:21発の特急に乗車した。
8000系が来たことに嬉しさを感じ、無事席にどしっと腰をかける。
「あれ、明太子みたいな雲やなぁ。」みたいな雲を眺めながら、背中に少しの汗をかきながらJR東西線に乗り込む。
普通電車27駅。のんびりと西へ向かう。少し眠くて回らない頭をコーヒーで起こそうとするが、まだスイッチは入らない。しかも地下鉄なので暫く地上へ出ないらしく、ちょっとエンジンはかからない。
地上に出てからは音楽を聴きながら窓の外をぼーっと眺める。何も考えないのが眺めるコツだ。個人的には至福の時間だ。

27駅はあっという間だった。JR須磨駅に到着。天気は良好。潮風が吹き海の匂いを嗅いで、テンションが上がる。

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 駅前にあったコロッケ屋さんとコンビニでご飯を買った。駅前のコロッケ屋さんは注文時にコロッケを揚げていると書いているのを見て、衝動買いをしてしまった。味は間違いないだろう。おっちゃんは無愛想だったが、ちょこんと座っていて可愛かった。

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熱々のコロッケを頬張る。ギュッと中身が詰まっていて最後まで夢中になって食べてしまった。上手いは言わなかった。

 しばらく歩くと水溜まりを見つけた。塩気のある水たまりだが、山の方から水も流れていて綺麗な水たまりだった。湿度そこまでない。若干ペタつく汗とその日の三十度以上の気温にうんざりしていたため水溜まりに顔をうずめた。ちょっと塩気があったが気持ちよかった。

 テトラポットが規則的に並び、美しいなぁと思い、人気の少ないテトラポットの方向に向かう。ジリジリとした日差しが肌を焦がしていくのを感じながら歩いていると、防波堤のような場所でスーツを着た30~40代ぐらいの男性が寝ていた。昼休憩だろうか、もしくは仕事をさぼったのか、それか仕事を今日辞めてきたのか。。。何にせよ肩の荷が降りて、どこかしらホッとしているような気がした。

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 そんなおじさんを避けて、ベストポジションに到着した。良い。やっぱり良い。夏の思い出を含む海風、残暑を感じさせる日差し、反射する海のきらめき、釣りをするおじさん。不規則に変わる雲。また、ここに帰ってこれたうれしさで胸がいっぱいになり心で叫んだ。
 遠出ではあるので私にとっては貴重な時間だ。だがここで何かアクションを起こすかと言ったら特に遊ぶようなことはしない。ここで考え事をしたり、メモを書いたり、昼寝をするだけ。だが俺にとっては最強の時間なのだ。フィーバータイムみたいなものだ。ですがフィーバータイムというのは無敵時間と同じようにすぐに終わってしまうものだ。

夕日は西の空に帰って行った。海風は涼しさ、いや冷たさを感じさせ、現実に戻るのだ。2021年の夏が遠ざかってゆく。夏は俺に夢を見させた。あの熱を帯びた刹那的な生物は来年またやってくるのだろう。

  初めてに来たときに考えていました。この場所を心の中の思い出ではなく、歌にして残そうと。私はその時の情景を目に焦げるほどに焼き付けた。曖昧にもこの夢を書き残そうと思った。

「抱きしめて...夏」という作品です。

夏の始まり。期待と後悔を漣と共に向かえ焦る。
一度きりの夏を抱きしめながら、夏は終わりを迎える。


 私はこの場所を思い出しながら、この曲を書きました。
この曲の中には須磨の景色が眠っています。私は私の思う景色を。貴方は貴方の好きな景色や思い出を思い出しながら聞いて下さい。
夏の曲ですが、思い出を振り返りながら聞くのであれば、この時期に聞くのも良いんですよ◎(これは最近の発見)

 最後に、2021の夏は抱きしめる事ができたでしょうか?忘れたくない思い出はできたでしょうか?

 いつもよりは少しバッドな夏を過ごした方が多いかもしれません。ですが小さな幸せや小さな夏はあなたの周りに沢山転がっています。夏だけではありません。普段の日常にも光る物は沢山あります。私は小さな幸せや、思い出を拾いながら過ごしていこうと思います。
少し夏からは離れていきますが、またやってきます。来年まで気長に待等価なと思います。
是非、ライブに来た際には夏の思い出でも喋りたいものです。来年も素敵な夏になるといいですね。


それではまた会いましょう。


                               たかや


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