我が家の保活記録④

「あんりさんだっけ?企業併設保育園はやめといた方が良いよ。何でか分かる?」

私は『子を企業併設保育園に入れる』とは一言も言っておらず
この発言をした人とはこれがいわゆる初絡みというやつでした。

私はこの時、Twitterのスペースという機能を使って雑談をしていました。
その中で『企業併設保育園ってどんな感じだろうね?』という話題が出ました。
もし彼女があのスペースに参加していなければそれだけのことだったと思います。

「あんりさんだっけ?企業併設保育園はやめといた方が良いよ。何でか分かる?」
と、突然名指しで質問され、私は理由を答えることが出来ませんでした。
この時の我が家は認可保育園を目標に保活をしていて、それ以外の保育園の情報はあえて入れていなかったからです。
保活記録①に書いた、妊娠中に意識的に保育園のことを考えなかったのと同じ理屈です。
まだ選択肢にないことをあれこれ想定しても不安が募り疲弊するだけです。
我が家が優先させるべきは、完璧な保活より心身の安定ですから。

その人は保育園の話題が出た途端、スペースの参加方法をリスナーからスピーカーに切り替え、まず私に上記の質問を投げました。
私が質問に答えられないでいると、次々に色々なことを話し始めました。

まとめるとこのような内容でした。
●私は子どもが3人いて全員違う保育園に預けたから保育園のことは全部知っている。
●企業併設保育園は仕事を休ませてもらえないから入れてはいけない。
●まずは行動!落ち込んでいる時間は無駄!悩んだらTwitterで相談しなさい!
●早生まれの子は生まれてないのと同じだよ。私役所にそう言われたもん。お陰で一年無駄にしたようなもんだった!
●専業主婦なら認可は絶対に無理。
合間合間に人を小馬鹿にしたような笑いを挟みながら、一方的に高圧的な口調でまくし立てられた十数分。
それは、以前上司にパワハラを受けた時と同じ構図でした。

保活記録②に書いた『人の保活体験は参考にならない』は、主に彼女の話を聞いて感じたことです。
彼女と私は住んでいる自治体が全く違う上、一番下の子は本年度14歳であることを後に知りました。
コロナ禍のコの字もなかった頃のお話。10年以上も前のお話。他の自治体のお話。
それを一体どう、私の保活に活かせと言うのでしょうか。


未だに全く意味が分からないのは『早生まれの子は生まれてないのと同じ』という発言です。
スペース中にどういう意味ですかとお尋ねしたのですが
「ん〜まだ保活初心者だもんね〜。じゃ分かんないよね〜そういうことがさ〜」
というようなお返事でした。
役所に行った時にこの件を尋ねてみましたが、役所の方にも首を傾げられました。
なので結局、保活を終えた今でも全く意味が分からないのです。
だから私に出来るのは、
この世に生まれているのに生まれていないと見なされた彼女の子供はかわいそうだ。
と、思うことだけです。

でも、当時はそういう風には思えませんでした。
経験者がここまで自信満々に語るのだから私の息子は絶対に認可保育園には入れない、それは私が専業主婦だからで、しかも息子はまだ生まれていないのだ。
等と、支離滅裂なことを数日考えました。

保活記録③に少し書きましたが、この頃の私は、睡眠時間・人との交流の少なさ故に、情報を正しく処理することが普段より困難な状況でした。
まとまった睡眠時間は、夫が不規則な勤務形態の中で上手くやりくりして定期的に確保してくれていました。
でもどうしても、夫以外で会話する相手がいない、夫が仕事の間は誰とも会話できない。
散歩や買い物も、人のいない・少ない時間帯を選んで出かける日々。
友人や兄弟に電話をかけようにも、皆仕事があるから、頻繁にはできません。
妊娠を機に退職した令和2年の8月から1年近くその状況で、コロナ禍での失職妊娠においてそれは当然のことなのですが
孤独な時間の多さはどうしても、人の心を蝕んでゆくもので。

スペースという機能は、ラジオのように聞きに徹することも(リスナー)、複数人で喋る電話のようにも(スピーカー)使えるもので
スピーカーとして参加しているアカウントは、その間は手すきということですから
人の時間を奪ってしまっているのでは、という不安なくコミュニケーションを取れるツールだと感じました。

ただただ人と喋りたくて、喋ることで孤独を薄れさせ、それが行動の活力となるのではとの想いで参加したスペースでした。
だから他愛もない雑談で良かったのです、アドバイスではなく。
でも運悪く彼女がいたことにより、真逆の効果をもたらしました。
あのスペースに参加して以降、私は保活のことを人に話すのを止めました。
元々公言もしていなかったのですけど、決して誰にも話さない、と固く誓いました。

そして保活を終えるまで、育児の悩み自体、人にほとんど喋らず毎日を過ごしました。
また誰かに暴言を吐かれるくらいなら、一人で抱え込んで潰れる方がマシだと思ったのです。
だってほら、私が潰れてこの世から居なくなれば私は専業主婦ではなくなるから、息子は認可保育園に入れるじゃないですか。
…なんてことを考えることがあるくらい、私の思考回路は正常ではなかったし、彼女の言葉は私に致命的なダメージを与えたのです。

この件は、スペースに参加していた他のアカウントさんから気遣いのメッセージを頂いたり、
信頼のおける友人に話を聞いてもらえたことで少し楽になりました。
けれど、あれから半年以上経った今でも、私は育児に関することを人に話す時は過度に身構えてしまいます。

今回、保活から逸れた内容のnoteになってしまいました。
でも私は保活と聞くと必ず、このことを思い出すのです。

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