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エッセイ | 紫陽花を | #シロクマ文芸部

紫陽花を選びました。
浴衣反物の柄のことです。

これまで洋裁は多少やっても、着物に全く興味がなかった私は、ある日突然思いました。

着物ってどういう構造かしら


そう思うと居ても立っても居られなくなり、和裁教室を探しました。
そして浴衣を縫いだしたのです。

昨年の春のことです。

着物は柄合わせがあり、裁断までは素人には難しく、先生にほとんどお任せでした。

左の肩に大きな紫陽花を…
脇を縫い合わせるのに出来るだけ前後の紫陽花が重ならないように、全体的に柄のバランスを考えて裁断します。

和裁教室の時間帯で縫い終えるのは不可能でした。
毎回、宿題がでて、自宅でもとにかく縫いました。あんなにたくさんの手縫いをしたのは、後にも先にもこの時が一番です。

浴衣を縫い初めて知りました。

無駄がない、無駄がないとは聞いていましたが、ここまで布地を切り刻むことなく、ほぼ四角いまま縫う和服はすごいと思いました。

擦り切れるまで着て、ほどいて、赤ちゃんのおしめに、そしてその後は雑巾にしたり……
大きい着物をほどいて、子どもの着物に仕立て直したり……

物を大事にする日本人の心が詰まってる和服です。

和裁も続けたかったですし、着付けも習ってみたいのですが、そこまでの余裕が今の自分にはなく残念です。

和服を着こなせる女性が羨ましいです。

ちなみに一生懸命手縫いした紫陽花柄の浴衣は、ある女性にプレゼントしました。
とても喜んでもらえました。



シロクマ文芸部の企画に参加しました。
『紫陽花を』2作目です。

小牧幸助さん
いつもありがとうございます

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