エッセイ | 君に届け | #青ブラ文学部
原作 椎名軽穂さんの漫画
『君に届け』
少女漫画の王道キュンキュンなお話
貞子とあだ名をつけられている爽子役には多部未華子さん、風早役には三浦春馬さんで実写化されました。
二人が初めて出逢う場面で、風早くんが爽子の髪についた桜の花びらをとってあげ、爽子の手のひらに乗せるのです。それはハート型をした花びらでした。
爽やかな風早くんの笑顔とこの花びらで、爽子は恋に落ちます。
手のひらの恋
その言葉がピッタリの場面です。
爽子はその花びらを大事に生徒手帳に挟みました。たった1枚の花びらを愛おしく眺め、風早くんを想う初々しい感じが好きです。
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自分にもそんなことあったかなぁと遠い昔を思い出してみました。
あった!ありました。
好きな男子がカバンに貼ってたステッカーが教室の床に落ちていたのです。なぜ剥がしたのかは目撃していないのですが、放課後の誰もいない教室でそれを発見し、拾い、ポケットに入れました。
ドキドキしました。
そのステッカーというのが『ケンメリ』と呼ばれていた車のステッカーでした。
日産自動車のスカイラインのことです。
『ケンとメリーのスカイライン』のCMがあり、その販促品のステッカーだと思います。
相合傘にKen&Maryと印字があるものです。
(ご興味ある方はググってみてください)
車のことは全く詳しくないのですが、ただただその小さなステッカーを手に入れることができたことが嬉しくて、それを大事に持ち帰り家に保管しておきました。何年も捨てずにありました。
想いを伝えることもなく、そのステッカーを手のひらに乗せ、それだけでじゅうぶん幸せだったあの頃を懐かしく思います。
そのステッカーは捨ててしまいましたが、その後、本人にその話をしたことがあり、
「何で捨てちゃったんだよ!」
「いやいや!捨てたのアナタでしょ(笑)」
そんな会話も青春な感じでした。
手のひらの上だけで相手を想う。
きっと覚えてないだけで、誰もが経験していることではないかな?と思います。
青ブラ文学部の企画に参加しました。
2作目です。
山根あきらさん
いつもありがとうございます。