027. 遠征旅行のすすめ
好きなアーティストのライブのために東京から広島に来ている。去年同じアーティストのライブで和歌山に遠征し、ライブついでに和歌山→京都とひとり旅行したのがかなり楽しかったので今回も地方公演に応募した。(正確には関東の公演も含めて行ける範囲および日程の公演に全て応募した結果、当選したのが広島だけだった。)
私は旅行があまり好きではない。理由は単純明快で、前もって計画を立てることが好きではない(得意ではない、というかできない)からだ。どこへ行くにも思い立った時に即行動したい人間なので、どうしても前もって何かしらの予約が必要な遠出ができないのである。今回もライブが決まったのは2,3ヶ月前だった気がするが、ホテルと新幹線を取ったのはつい3日ほど前だ。ちなみに帰りの新幹線はまだ取っていない。どうにかなるだろうと思っているし、多分どうにかなる。こんな舐め腐った行き当たりばったりの性格なのに加え、あまり旅行にコストをかけるメリットが見出せなかったためこれまで自ら進んで旅行に行くことはほとんどなかった。今回訪れた広島だって、ライブがなかったら「いつか行きたいな」で終わっていたと思う。そんな旅行とは縁のなかった人間が、ライブの遠征をきっかけに旅行の良さを少しづつ実感してきているので人生結構面白いもんだなとしみじみ思う。
広島旅行1日目、朝10時に東京駅から新幹線に乗り4時間ほどかけて広島にやってきた。最大の目的であるライブは明日なので、今日は2番目の目的であった広島焼きを堪能することに決めている。ちなみに今日広島は一瞬雪が降った。路面電車を待っていたら雨が雪に変わったので思わず「は?」と言ってしまった。1週間ほど前まで新しく買った春物のアウターを着てくる気満々だったのに欲望を抑えて直前で冬のコートに変更した私素晴らしい。さて、話を広島焼きに戻すと、学生時代に広島に住んでいたという会社の同僚におすすめの広島焼き屋さんをいくつか紹介してもらっていた。その中で最も気になっていた「ロペズ」というお店に行ってきた。16:30開店で、16:35分ぐらいに着いたのだがすでに半分くらいお客さんで埋まっていて地元人気が伺える。「ロペズ」はグアテマラ人のロペスさんが作る広島焼きのお店、というなんとも情報がてんこ盛りのお店だ。
私が注文したのは「そば肉玉」にハラペーニョのトッピング。人生初の広島焼きでこんな癖強なトッピングをするのはどうかと一瞬迷ったが、このお店名物のトッピングらしかったので潔く注文した。結果、ハラペーニョトッピングは大正解。カリッと焼けた焼きそばと優しい甘さのキャベツ、甘めのソースにハラペーニョが良いアクセントとなって大正解の味だった。冗談抜きで今まで食べたお好み焼きの中で一番美味しかったかもしれない。一緒に頼んだハイボールがまた最高で、ハラペーニョの辛さと完全にマッチしていた。店主のロペスさんも気さくな方で「どこから来たの?」「ここはどうやって知ったの?」「広島のおすすめ教えるよ!」などと、少し可愛い日本語でたくさん話しかけてくれた。近くに座っていた地元民のお兄さんは「まるめん」という広島焼き屋さんもオススメだと教えてくれた。こういう一期一会の出会いも旅行の良いところだ。というかそんなことを思えるようになった自分、大人になったなと思う。
最高が確約されているライブの前日に、夕方からほろ酔いで最高の広島焼きをいただく。こんな祝日があっていいのだろうか。私のように旅行があまり得意でない方がいたら、好きなアーティストのライブの地方公演にあえて行ってみることをオススメする。アーティストでなくても、ライブでなくてもなんでもいい。「旅行」というと苦手意識が発動するかもしれないので、旅行がサブイベントになるような何かを見つけてみるといいかもしれない。
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