ナチュラルハイ
11/4 日曜日 8:04 渋谷スクランブル交差点前。
渋谷駅の高架下の先とハチ公前に人間がちらついているのが見える。
私は左内ポケットの切符を取り出してJRの改札を再入場した。
ここに至るまでに散々なくらいに煙草は吸って、初めてのタイミングを待っていたレッドブルウォッカはお店に残して帰った。
山手線を乗り継いでまた一つ溜息を吐く。
大崎で乗り換えだったよ、と急ぎ足でカップルが下車していくその後ろ髪から生き場の違いを教えてくれたと思う。
流れていく
窓の向こうにぼんやり映る駅のホーム
建ち並ぶビルの人間性
霞んだ生々しい秋空と私の心は似ている。
私が見えている人々は今を朝と呼ぶ
穢く綺麗に取り残された人間
アナウンスと共に見慣れた景色は
止まった過去が蘇り姿を現し出す
人生は語らずに語ること
豊かさは時に人を殺す
そして気付かない
全ての人間に同じ解釈ができたなら
この世界は空虚だ
すれ違うことは簡単で、出会うことも簡単なこの世界に、またひとつ、ふたつと疑問がのし掛かって離れない。
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