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子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨停止から今日で7年

2013年に子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨が停止してから(定期接種ワクチンの通知をやめること)今日で7年が経ちました。

この問題について取り上げている新聞はないようです。

日本では、子宮頸がんワクチンはけいれんや慢性の痛みなどを引き起こす危ないワクチンであるとの誤解が広がりその声を受けた政府は積極的接種勧奨を停止。軒並み8割はあった接種率は1%に落ちたまま現在に至ります。

痙攣や痛みなどの症状とワクチン薬剤との因果関係は、日本でも、世界のどこでも証明されていません。一方、ワクチンを打つ年齢の子どもたちに、心的背景をもつの痙攣や痛みの症状が多いことは分かっており、科学的には因果関係は限りなく否定的です。

当時は痙攣する女の子たちの映像でこのワクチンの危険性を煽るメディアがたくさんありましたが、最近ではほぼ見なくなりました。

しかし、だからと言って、この問題をなかったことにしてしまうわけにはいきません。

WHOをはじめとする世界の保健当局や専門学会が推奨し、180か国以上で広く安全に使われているこのがん予防ワクチンが、日本ではほとんど使われていないという事実に対し、私たちはどう向き合って行ったらいいのでしょうか。

私は2015年頃から子宮頸がんワクチン問題について一般メディアに執筆をはじめ、2017年には平凡社から『10万個の子宮 あのはげしい痙攣は子宮頸がんワクチンの副反応なのか』という本を出しました。

日本では「毎年」約1万人の人が「新たに」子宮頸がん(子宮摘出などの必要な浸潤がん)との診断を受け、子宮を失っています。その患者さんの多くは20代から40代の子供を産み育てる世代の女性です。日本では、ワクチンの薬害を信じる人たちによる国を相手取った訴訟まで起きています。その訴訟が終わるまで最低でも10年。その間は、ワクチンの勧奨は再開しないだろうとも言われています。

わたしの本のタイトルは、救えたはずの「10万個の子宮」を、そしてそこから生まれてくるはずだった新しい命を何とかして救うことをできないのかという切なる思いからつけられたものです。

「10万個の子宮」はnoteでも公開しています。

平凡社の『10万個の子宮』の誤りを修正し、「10万個の子宮のできるまで」を含む記事5本をプラスしていますので、未読の方はぜひご覧いただけると嬉しいです。

2016年、子宮頸がんワクチンの薬害を主張する人たちから国が訴えられた1週間後、私も子宮頸がんワクチンが脳障害を起こすことをマウス実験で確認したと発表した元教授から裁判を起こされました。

日本の反ワクチン運動の支柱となっている医師です。以降、私がこの問題についてメディアで執筆・発言する機会はほとんどなくなっていました。

実を言うと、そこで始めたのがnoteでの執筆でした。

『10万個の子宮』上梓以降にかきおろした、子宮頸がんワクチン関連の主要記事は、noteマガジン「子宮頸がんワクチンを正しく知る」にまとめてあります。興味のある記事があったら、ぜひ読んでみてください。

【目次】
子宮頸がんワクチン打ちました。今まで接種表明しなかった理由と大人のHPVワクチン
子宮頸がんワクチンの3回接種は本当に必要?あなたに必要な接種スケジュールを考える
2回目接種で副反応を経験。子宮頸がんワクチン、それでも心配な人たちへ
子宮頸がんワクチンの「男子だけ全員接種」のこと
子宮頸がんワクチンの”1回接種”最前線
ほか

大変残念なことですが、子宮頸がんワクチンに対する科学的根拠に乏しい不安や恐怖を、政治利用しようとする政治家の方もいます。

そういった議員さんたちの質問には、noteマガジン「子宮頸がんワクチンをめぐる質疑への質問」で一つ一つ回答していますので、やっぱり子宮頸がんワクチンは危ないのではないかと心配な方は、こちらを読んでみてください。

① 子宮頸がんワクチンによる深刻な副反応が相次いで報告されている?
② 子宮頸がんワクチンの予防効果は証明されていない。だから要らない?
③ HPVはほとんどが自然消滅し、がんになっても自然治癒する?
④ 子宮頸がんワクチンは10人に7人のがんしか防がない?

⑤ 子宮頸がんワクチンの予防効果はいつまで続くか分かっていない?
⑥ すでにHPVに感染している人がワクチンを接種すると病変が悪化する?
⑦ 重篤な反応と救済認定数が他のワクチンより多い。だから危ない?
⑧ 子宮頸がんで失われる命は検診だけでゼロにできる?妊娠に伴う子宮頸がんの数の衝撃
⑨ 子宮頸がんワクチンに対する医者の無理解が問題となっている?

最後に、私の裁判ですが、今年の3月に終了しました。提訴から3年半以上。大変長い時間でしたが、応援して下ったみなさんに改めて御礼を申し上げます。本当に本当にありがとうございました。

裁判終結に際し、京都大学・本庶佑特別教授、日本医師会・横倉義武会長、日本産婦人科医会・木下勝之会長ほかからメッセージをいただいています。

この場を借り改めて一部をご紹介させていただきます。

本庶 佑 京都大学 特別教授「国民の皆様へのメッセージ」

村中璃子氏に対するHPVワクチン名誉毀損裁判が奇妙な形で確定したということをお聞きして、私の感想を述べさせていただきます。

現在の新型コロナウイルス感染への対応についてからも明らかなように、科学的な正しい情報を尊重して対応しないと、とんでもない社会的な混乱を引き起こします。

専門家の勧告に謙虚に耳を傾け、一般の人は身を守り、街を守り、国を守る必要があります。

政治家はリーダーシップを発揮して専門家の助言を社会へ実装していく義務があります。

残念ながら、HPVワクチンに副作用が強いという一部の風評報道に基づいた村中璃子氏の裁判の結審は、科学的な根拠を元に正しい判断がされたとは思えない、大変残念な結論となりました。

この間、我が国では子宮頸部がんの患者さんが確実に増加して、多くの若い女性の命が失われております。日本社会に科学的な情報をいかに正しく伝えるかというマスコミの使命、また一般の人の科学に対する敬意が今後も問われる機会が多々出てくると思います。

我が国に科学的知識に基づいた行動が正しく評価されるようになることを切望しております。
村中 璃子「裁判を支えてくださった皆さまへ」

裁判としては残念な結果となりましたが、 科学界が一丸となって応援してくれたこと、 科学は司法による攻撃に屈しないという姿勢を示せたこと、 市民の子宮頸がんワクチンに対する理解が深まったことは大きな成果だと感じています。応援してくださった皆さま方には心からの感謝の意をお伝えするとともに、今後とも科学に根差した言論が日本に広がっていくようささやかながら努力を続けていくつもりです。

私の裁判が終わっても、メディアが取り上げなくなっても、子宮頸がんワクチン問題が終ったわけではありません。

今日で積極的接種勧奨から7年。「10万個の子宮」のうち7万個の子宮が失われることになるであろう現実について、私たちは重く受け止める必要があります。

幸い、裁判のため承認が滞っていた、世界標準の9価子宮頸がんワクチンが7月21日までに承認されることになりました。

日本の子どもたちの未来が、1日も早く世界スタンダードで守られるようになるよう、まずは「ワクチンを正しく知る」ことから始めましょう。

子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨は止まっていますが、子宮頸がんワクチンは今日でも定期接種です。対象年齢の女の子は全員無料でこのワクチンを接種する権利を持っています。


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子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨停止から今日で7年

村中璃子 Riko Muranaka

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