見出し画像

あなたは真正ショートスリーパー?自宅で測る「今のあなた」の必要睡眠時間

「ショートスリーパー」「ロングスリーパー」という言葉があるように、その人が必要とする睡眠時間の長さには、個人差があります。また、必要な睡眠の長さは年を取るにつれ、短くなってくることも知られています。睡眠時間の長さには季節変動があることも知られています。
 
では、「今のあなた」にとって、本当に必要な睡眠時間とはいったい何時間なのでしょうか?

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史教授に、自宅でできる測定の方法を教えてもらいました。

前3回はこちらから


専門家は「夏は冬より寝なくていい」に両論

村中:いま時期のドイツは本当に日が短くて、朝8時でも真っ暗で星が見えていて、夕方4時前に街灯がつくといった感じで、朝起きるのも夜寝るのも完全に照明の光に依存している状態です。

前回までのお話で伺ってきたとおり、照明の灯りはつけたり消したりを自分でコントロールできる一方、太陽の光ほど強い光ではないので作用も大きくない。一方、夏場は外が夜10時、11時まで明るく、朝も3時くらいには明るくなり始めるので睡眠時間が短くなります。ドイツ人も「夏はあんまり寝なくてもいいんだよね」などと言って、平日でも遅くまでテラスや庭でお酒を飲んだりバーベキューをしたりしています。医学・生理学的に見た場合、睡眠時間というのは夏場は短くてもいいのでしょうか。
 
柳沢:良くはないですよね。それでいて朝の出勤時間は変わらないのですから。
 
村中:では、夏場はみんな睡眠不足ということですか?
 
柳沢:どの国でも実際の睡眠時間は夏の方が短く、たしか、平均で30分ぐらい違うとされています。それがいいのかどうかは専門家の間でもかなり議論があるところですが、わたしは良くないのではないかと思っています。
 
村中:ドイツでは、夏は夜がいつまでも明るいだけでなく、朝も3時前には明るくなってきます。雨戸やカーテンなどもほとんどないので、太陽が昇ってきたら目が覚めてしまうのですが、夏はもっと意識して暗くしておいた方がいいということでしょうか。
 
柳沢:早く起きすぎるのも健康にはよくありません。その分早く寝られるわけではないので、体内時計のフェーズがどうの以前の問題として絶対量が足りなくなり、健康にもパフォーマンスにも良くないはずです。 わたしも朝の光に敏感なので、夏は家でもアイマスクをして寝ています。
 
村中:そういえば、デンマークやオランダの民泊を利用した時、クロゼットの中に枕や布団があって、そこで眠れるようになっていたのを思い出しました。北国では、夏の睡眠の方が冬の睡眠よりも大きな問題だということですね。季節性うつ病は冬に増えるけれど、不眠や自殺は冬には少なく、春に多いと話とも合致しています。【第2回インタビュー参照】

自宅でできる!必要睡眠時間の測り方

村中:わたしは夏、睡眠時間が短くても昼間に眠くないのですが、これでも「睡眠が足りていない」と評価するべきなのでしょうか?
 
柳沢:足りてるいのかもしれないです。が、判断は難しいところです。
 
村中:その人の睡眠の必要量というのはどうやって評価するのでしょうか。
 
柳沢:必要睡眠量を測る1番正しい方法は、少し大変ですが自宅でできます。まず

ここから先は

2,631字 / 1画像
この記事のみ ¥ 980

正しい情報発信を続けていかれるよう、購読・サポートで応援していただけると嬉しいです!