マガジンのカバー画像

村中璃子、ちょこっと読み。

わたしの書いた記事や科学・医学のニュースのまとめを適当にセレクトしてちょこっとお届けするマガジンです。わたしがnoteに書いた記事をぜんぶ読みたい方はマガジン『文系女医の書いて、… もっと読む
¥980 / 月
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

子どもたちの「コロナごっこ」が終わった理由

子どもたちの「コロナごっこ」が終わった理由

先日、震災時の津波ごっこに似た「コロナ」という遊びが、子どもたちの間ではやっている件について書いた。

ところが、この「コロナ」は、子どもたちの間で大流行したのち、あっという間に流行が終わってしまったという。「コロナ」終息をめぐる子どもたちの話があまりにも切ないので、今日は続きを書くことにした。

もっとみる
帰省自粛のお盆を終え、流行のピークをすぎた日本に必要なこと

帰省自粛のお盆を終え、流行のピークをすぎた日本に必要なこと

『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』を書きながら、こっそりと7月中に短い夏休みをいただいた。「こっそり」と書いたのは、なんとなく日本の皆さんに申し訳なかったから。

追跡アプリの強制ダウンロードやPCR検査など、入国にさまざまな条件をつける国もあったが、EUでは域内の移動の制限は夏休み前に一応は解かれており、ヨーロッパでは今年も皆が思い思いの場所でバカンスを楽しんだ。

「他の人

もっとみる
『新型コロナから見えた日本の弱点ー国防としての感染症』刊行のお知らせ

『新型コロナから見えた日本の弱点ー国防としての感染症』刊行のお知らせ

この度、新著『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』を上梓しました。

はじめに、この本はnoteを購読し、晴れの日も雨の日も温かいメッセージとサポートで応援してくださってきた皆さまなしには完成しなかった本です。心から感謝をお伝えします。

いまインターネット上は、新型コロナパンデミック関連の情報であふれかえっています。そのほとんどがパンデミックを医学や科学、せいぜい経済の問題として

もっとみる
第2波およびロックダウン回避の鍵は「日本のやりすぎないPCR検査」にあり

第2波およびロックダウン回避の鍵は「日本のやりすぎないPCR検査」にあり

SARSを発見したウイルス学者で、独アンゲラ・メルケル首相のアドバイザー、EUの新型コロナ対策会議の議長でもあるクリスティアン・ドロステン教授が、ドイツの主要新聞に「第2波とロックダウンを防ぐ鍵は日本の対策にある」と寄稿しました。

ドロステン氏の寄稿の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

以下、ドイツ語原文の英語の自動翻訳です。日本に関係する部分は日本語に翻訳してあります。

(追記:8月

もっとみる
新型コロナは抗体の有無だけ見ていても意味がない?

新型コロナは抗体の有無だけ見ていても意味がない?

新型コロナに関する免疫の話で、よく聞く「抗体」という言葉。
「抗体がある=コロナにかからない」だと思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

「抗体」とは、新型コロナに暴露されると全身で働き、新型コロナをターゲットにいっせいに攻撃を始める免疫のこと。麻疹のようなウイルスであれば、感染して回復すればこの抗体ができ、2度と麻疹にかかることはありません。

一方、免疫には新型コロナウイルスに感染

もっとみる