「色が違って見える」ってどういうこと?ーー社会的バリアの解消を目指す学生チームが、様々な色覚特性を”リアルに”体験できるイベントを開催しました!
立教大学ボランティアセンターでは、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す「バリアフリープロジェクト」に今年度から取り組んでいます。
今回は、”色の見え方(色覚)”に着目した「制度のバリア」チームが、12/16(金)の昼休み(池袋キャンパス5号館1階ロビー)と、12/23(金)の昼休み(新座キャンパス1号館ファミリーマート横)に、スマホアプリ「色のシミュレータ」を使用したイベント『ユニバーサルカラーについて学ぼう!』を開催しました。
バリアフリープロジェクトって何?
ボランティアセンターが今年度から取り組んでいる「バリアフリープロジェクト」は、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す取組です。
5月下旬からメンバーを募集、8月に実施したキックオフミーティングを皮切りに、【事物のバリア】【制度のバリア】【慣行のバリア】【観念のバリア】の4チームに分かれて、それぞれが感じる「社会のバリア(障壁)」の”解消”に取り組んできました。
色の見え方が違うってどういうこと?
今回のイベントを企画した【制度のバリア】チームは、社会の「制度」によって生み出される障壁の解消を目指す中で、「色の見え方(色覚)」に着目しました。
そもそも人間がもつ「モノを見る」という機能は、「視力」「視野」「色覚」の三つに支えられており、「色覚」は色を識別する感覚のことをいいます。
他人と色の見え方・感じ方を比べることは簡単ではないため、自分の色覚特性が他と異なることに気づかない人も多いですが、日常生活において標識やポスター、各種資料などから重要な情報を読み取る際に、色の違いを認識できないことで問題が生じる場合があります。
VRゴーグルの先に見えるのは、いつもの景色だけど…
今回のイベントでは、無料のスマホアプリ「色のシミュレータ」を活用することで、参加者に自分と違う色の見え方(多様な色覚特性)を体験してもらいました。
このアプリでは、スマートフォンの内蔵カメラを通して見える映像をリアルタイムに変換することができるため、用意された映像(自分の知らない景色)ではなく、体験者が”今”自分の周りにある景色を別の色覚タイプで見ることができ、よりリアルで身近な体験となります。
さらに、スマートフォンを挟んで使用できるVRゴーグルを使用することで、スマホアプリを使いながらもスマートフォンから両手を離した状態をつくり、日常生活の様子になるべく近づけられるよう工夫しました。
実際に体験してみる!
体験者は、まず袋の中から色のついたボールを2つ取り出します。
この時取り出したボールの色が、これから自分と異なる色覚特性を通して探し、取ってもらう色になります。
続いて、VRゴーグルにセットし、『色のシミュレータ』を起動させたスマートフォンを通して見える大量のカラーボールの中から、先程自分がとった色と同じ色のボールを取り出します。
もちろん「一般型」に設定して指定色のボールを探すのは簡単なのですが、それ以外の「1型(P型)」「2型(D型)」「3型(T型)」などに設定して見ると、どのボールも同じ色に見えたり、先程見ていた色とは異なる色のボールが出現したりして、どれが指定色のボールなのかよくわからなくなってしまいます。
体験者は先ほど見ていたカラーボールと色が違って見えることに、「この色は分かるけど、この色は勘で取るしかないな」「こんなに違って見えるのか」と驚きの声をあげていました。
最後に、なぜ特定の色が見えにくくなったのか、今回使用したアプリはどういうものかなどを体験者に説明し、「色覚の特性が社会のバリアになることもある」という現状を伝えました。
体験者の感想(一部)
こんなにも色が見分けづらくなるとは思いませんでした。今後ふとした瞬間に今日のことを思い出せそうです。貴重な体験をありがとうございました!
ありがとうございます! 楽しかったです!
昼休みの人通りが多い時間帯に開催されていて、よかったと思います。