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山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第106回 心身のこわばりをほぐし深い呼吸と睡眠を取り戻すための音楽特集


はいどうも。

みなさん最近きちんと呼吸できていますか?

深く眠れていますか?

きちんとした呼吸も、深い眠りもものすごく大事です。

呼吸というのはその実、吐くより吸う方が難しく、合気道では足捌きと呼吸法(特に“吸う”ほう)を徹底して身体に叩き込みます。きちんとした呼吸が身についていさえすれば、睡眠導入剤はおろかダイエットさえ不要とする論者もいるほどにものすごいはたらきを持つものであります。

眠りもまた重要です。人間寝ないとハイになる。というのは大槻ケンヂさんの言葉ですが全くその通りで、人間は睡眠が足りないとハイになります。そのハイというのは健康問題を考えた際にはあまり喜ばしいものとは言えず、集中力や判断力や記憶力や注意力を下げますし、何より免疫力が下がってしまいます。

しかし心身が恐怖や不安によってこわばっていると呼吸も眠りも浅くなりやすいです。

じゃあどうすればいいっつうんだよ。ってーと、睡眠導入剤やらアロマオイルやら半身浴やらストレッチやら整体やらマッサージやら色々な方法があるワケですが、当欄では心身のこわばりをほぐすための音楽をご紹介していきたいと思います。

『音楽でどうにかなるワケねえだろ』とご指摘の御仁もいらっしゃるかもしれませんが、私は投薬のサポートも受けつつ、ソウルミュージックによってまあまあ重篤な双極性障害を寛解まで持っていきました。投薬だけでは、簡単なカウンセリングだけでは、この状態まで回復するのは到底無理だったろうと思います。音楽は無力であり、そして無敵です。

というワケで、山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第106回は、“心身のこわばりをほぐし深い呼吸と睡眠を取り戻すための音楽特集”と題して、心身の不安や緊張を解きほぐす楽曲を皆様とともに耳を傾けていきたいと思います。みんな、ついてきてね!




一曲めは、ルイス・ヴァン・ダイクで『シャングリ・ラ』。

オランダを代表するジャズ・ピアニスト、ルイス・ヴァン・ダイクのトリオ編成による1987年録音の傑作です。この方は大変良作が多いです。

オリジナルもカヴァーも素晴らしいですが、ここではオリジナルの『シャングリ・ラ』を紹介させていただきます。軽やかで流れるようなタッチと胸を打つメロディにただひたすら陶酔するばかりです。名曲ですね。

この名盤がApplemusicにマウントされているというのは大変喜ばしいことなのですが、レコードから起こしてるせいなのかやたらノイズや音飛びがひどくて聴けたモンじゃないっていうのが悔しい限りですよチクショウ!!!!



二曲めは、B.LEWISで『ストレンジ・シングス』。

コスタリカはサンホセ出身のマルチ・プレイヤー、B.LEWISの2017年発表の名曲でございます。

いわゆるマック・デマルコ以降のインディR&Bと言ってしまっていいと思うんですが、その実極太のグルーヴに貫かれた、たゆたうようなスロウ・ジャム感が何とも心地よい逸品です。



三曲めは、寺尾紗穂で『北へ向かう』。

山下達郎氏や大貫妙子氏が在籍した伝説のバンド、シュガー・ベイブのベーシスト、寺尾次郎氏の娘さんでありまして、東大卒の秀才であり、音楽家としても文筆家としても無二の才能を誇るジニアス、寺尾紗穂さんの最近出たばっかりの新譜です。

良すぎですね。良すぎて泣いちゃいます。何ちゅうんだろうってぐらい良いですね。これまで非常に素晴らしい良盤、名盤をリリースし続けてきた寺尾さんですが、もう最高傑作なんじゃないかと思いますね。

センチメンタルでノスタルジックでエモーショナル、細野晴臣meets金延幸子meetsジブリといった塩梅はまさしく唯一無二でジャンル区分不可のウルトラ・グッド・ミュージック。遊びつかれた朝に、静けさに満ちた街の中をホテホテ歩きながら聴きたい名曲。

朝まで踊って遊びつかれる日が、すべての人々にやってきますように。



四曲めは、ノラ・ガスリーで『ホーム・ビフォア・ダーク』。


ボブ・ディランの師匠筋にしてアメリカン・フォークのレジェンド、ウディ・ガスリーの実娘であるノラ・ガスリーが1967年に発表したたった一枚のソロ・シングルです。

作曲は当時のノラの恋人であり、ソフト・ロック・メイニアであればどなたもご存知であろうエリック・アイズナー。シュガー・ベイブがそのバンドサウンドを組み立てる上において大いに参考にしたバンド、フィフス・アヴェニュー・バンドの前身バンド、ストレンジャーズのメンバーであった人です。

幽玄かつ雄大、メロディアスでメランコリックでサイケデリックな楽曲が、ノラの囁くような控えめな歌声に絶妙にマッチングし、摩訶不思議な第三世界へと誘ってくれることうけあいです。



五曲めは、ニック・ハキムで『ヘヴン』。

ブルックリンを拠点に活動するシンガー/マルチプレイヤー/プロデューサーのニック・ハキムの2014年作でございます。

往年のソウル・ミュージック、サイケデリック、ヒップホップを絶妙な感覚でブレンドした浮遊感あるサウンドは凡百のネオソウルやベッドルーム・ポップとは一線を隔する広がりがあります。

僕はこういうサウンドのこと『温泉系』って呼んでるんですけどこれはかなりナイス名泉だと思います。浸かっちゃってください。




はい、というワケでいかがでしたでしょうか、山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第106回、心身のこわばりをほぐし深い眠りと呼吸を取り戻すための音楽特集、そろそろお別れのお時間となりました。次回もよろしくお願いします。お相手は山塚りきまるでした。



愛してるぜベイベーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

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