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「北斎展」を見たその直後に鑑賞、こりゃ贅沢な見方だったかも…わし流 芸術の夏②「HOKUSAI」TOHOシネマズ府中

「HOKUSAI]-1ブライト&ビビッド

なにしろ90年の生涯。だもんだから「本当はもうちょっと複雑な家族構成をコンパクトにしているな」ということが察することができました。

それと浮世絵にはお上に「あれ描いちゃだめ」「これもやめろ」と言われながらなんとか工夫して自分の表現をしていく、という歴史(いまのマンガとかも同じようなもんだ…)があるのですが、これも時間の関係か簡潔にしてあります。

そのへんのことは知っているし、当日「北斎展」を見ているのでたいへん面白く鑑賞できました。北斎役の柳楽優弥と田中泯の2人がとてもいい。

若いときは美人画は歌麿の方が、役者絵は写楽の方が上かも…という雰囲気の中、「他の絵師に負けてたまるか」という北斎の気迫がヒシヒシと伝わってきました。

老いてからはあるとき突如風が吹き、「七年目の浮気」のように着物の裾を抑えたり、紙が何十枚も飛んでしまったり、というあわてふためく人々を見て「これだ!」という喜々とした表情の北斎の表情、これを演じた田中泯は特に凄い迫力。これが富岳三十六景のひとつ「駿州江尻」になるということらしい。

しかしたまたまワシの知り合いも本作を見たらしいのですが、「よくわからなかった」とのこと。考えて見りゃワシも80年代の新藤兼人「北斎漫画」の頃は知識もなく、いまひとつピンとこなかったような気も。となると「北斎漫画」ももう一度見るとまた違ってみえるかも。

北斎は何度も映像化されているわけですが、一門にいろんな面々のいる歌川国芳あたりも映画化されるといいな…と思っています。いままであったのかな…?

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