事前にやること
どうして主婦が飲みにいくとき、家事を全部片付けてから出ていかねばならんのかと思う。
今日は久しぶりに友だちと飲む。持ち寄りで家飲み。気のおけない人たちとおしゃべりしながらみんなの手料理をつまむ至福のとき。楽しみだ。
でも、こういうとき、どうしてか小さいカケラが胸につかえる。
まず持ち上がってくるのは『じゃあ、俺たちの夕食はどうするんだ』である。オットが一人だと、テキトーに何か食べておくこともできるらしいが、ムスメにカップラーメンやコンビニ弁当を食べさせるのは気がひけるらしい。それでわたしがカレーかなんかを作っておく必要がある。
次は『風呂は洗ってあるのか』である。はいはい。洗っておきますよ。
さらに今日は、夕食後にムスメの友だちが立ち寄るらしい。オットにメールでそのことを伝えたら、返信は「片付け」の一言だった。わたしは掃除機をかける。
カレーを作りながら、風呂を洗いながら、掃除機をかけながら、何かがチクリと胸を刺す。たぶん、わたしが帰って来たら、食べたものはテーブルにそのまま。シンクの中も洗い物が山積み。床には荷物を散らかしたまま。おそらくムスメは風呂にも入らず、YouTubeを見ているか、寝ているかだ。
酔っ払ってフラフラしながら、わたしは茶碗を洗う。せっかく楽しかったのに、と思いながら洗う。「ああ今日は楽しかった。お茶碗洗うのも楽しいわ〜」とはならない。
責任はわたしにあるとよく言われる。結婚する時、子どもが生まれた時、チャンスはあったのに、オットを教育しなかったのがいけないのだと苦言を呈される。「うちは娘たちがやってくれるわ」「うちはダンナがキレイ好きだから」「わたしが飲みに行くときは、夫が子どものごはんやお風呂を全部やってくれる」ああ、幼稚園の頃からずっと聞いて来た。うちだけ?わたしだけ?と思いながら、それでも何も変わらないし、変えられずにきた。
遊びに行くんだから、ちゃんとやってから行け。遊んできたんだから、そのぶんちゃんと後片付けしろ。そうは言わないが、その圧は感じる。
なんてこったー。わたしは昭和初期の男女の役割バイアスを引き継いでいる。これをムスメに渡したくない。わーん。どうしたらいいだろう。同じところをぐるぐる回る悩みだ。
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