見出し画像

自粛

今日は歯医者に行ってきたのだけれど、わたしが子どもの頃の歯科医は、めちゃめちゃ怖くて、説明もたいしてせずにいきなり「削りますよ」とか「抜きますよ」とか言われたものだ。

ところが、今通っている歯医者では、歯の断面図を見せながら、「エナメル質のすぐ下の柔らかいところがですね…」とか「根っこが3つに分かれているのですが、そのうちの一つに…」とか、事細かく説明をしてくれる。わたしは頷きながら「ほー」とか「はあ」とか返事をする。治療に関しても「ここまで削るので、ちょっと痛いかもしれない」と事前に教えてくれるし「痛いのは嫌です」と言える雰囲気だ。「じゃあ、この程度だと普通の人はやらないけど、麻酔打っておきましょうかね。わはは」とか、明るく言ってくれるので、凹まないで済む。

なにがイヤって、病気で行った病院で、叱られたり呆れられたりすることだ。「わかってます」と言いたいのをこらるうちに涙が出てきてしまう。この先生は「あらー。これは痛かったでしょう。次、怪しいなと思ったら、必ず早めに来てくださいね」と言ってくれるので、素直に「はい」と言える。

昔に比べて技術や道具もすごく進化していて、小型のカメラで口腔内を見たり写真を撮ったりできるし、コンピュータで歯の画像やレントゲン写真も即座に比較できる。昔、あのちっこい丸い鏡のついた棒を口に入れるだけで治療をしていたなんて信じられない。

今日も丁寧に「今日のはこれ、こっちのが1月、これは去年の11月の写真です。比較して見たら、歴然と差がありますよね」と歯茎の画像を比較しながら話をしてくれた。「こんな風に血色が悪くて、浮腫んだようになっているところもありましたけど、今日は色も良くなって、引き締まっていますね。これ、もしかしたら疲れがたまって、肝臓の機能が弱っていたせいだったのかもしれません。入院して肝臓の治療をしたことで、体の負担が減って、免疫力が上がって来ているのかもしれませんよ」なにー。そんなことが。「体は全て、繋がっているからですねー」そうか。その話は大学病院でもされた。「だから、よく休んで、疲れをとったり、生活のリズムを整えて、体力をつけていくことが一番の病気予防なんですよ」わーん。そうだよねー。そうだと思うー。

心の中でブンブンと頷きながら、積極的に寝るぞ、休むぞ、と心に決めたので、今日はもう寝ます。おやすみなさい。

サポートいただけたら、次の記事のネタ探しに使わせていただきます。