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日替わりサンドイッチ

お弁当を作らなくなって、4ヶ月が過ぎた。この15年間、お弁当を作らなかった日の方が少ないのに、ひとたび作らない日が続くと、もう基本的なフォームなどすっかり忘れてしまっている。

自分が働きに出るようになったので自分の分だけでもお弁当を作ろうかと思ったが、職場では昼食の時間がほとんどないので、お弁当を持っていく気にならない。先生たちはあまりにも時間がなさすぎて、昼食を5分かそこらで済ます。授業の準備や生徒たちの対応でバタバタする職員室で、事務員のわたしだけがお弁当をゆっくりと広げるのは気がひける。そこで真似して試しているのは「モース刑事のオックスフォード事件簿」に登場するサーズデイ警部補のお弁当「サンドイッチ」だ。

サーズデイ警部補は、毎朝奥さんから「はい、あなた♡」と渡されたサンドイッチをコートのポケットに入れて出かける。日替わりの具は曜日によって決まっているのだが、サーズデイは必ず「さあ、今日はなんのサンドイッチかなあ?」と言いながら包みを開ける。そこですかさずモースが「火曜日だからランチョンミート」とか言って、水を差す。ある日、奥さんがヒ素入りとは知らずに購入したアンチョビペーストを塗ったサンドイッチを持たされた。犯人の手口を推理したモースが、すんでのところで機転を利かせて阻止したので、そのサンドイッチを食べずにすんだ。

話が逸れた。まずは明日のサンドイッチの具をなんにしよう。


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