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政府主導型昼夜逆転中学生製造措置月間

この1ヶ月、子どもたちを家庭で過ごさせることは、夏休みと似て非なるものだ。基本的に外に出ることができない。そもそも全てがお休みなのだ。図書館も美術館も博物館も科学館もコンサート会場もゲームセンターもカラオケも、とにかく行くところがない。キャンプや学習プログラムや部活の合宿など預ける場所もない。まぁ、給食がなくてお昼を用意するのは夏休みと同じではあるが、部活や遊びに出て行くはずの中高生が家でゴロゴロされたら、物理的にも精神的にも圧迫感が半端ではない。学校のありがたさをしみじみと噛みしめる。

もちろんわが子のことなので、面倒を見るのは当然だけれど、どの家庭にも大なり小なりの事情があり、親にも子にもしわ寄せがくる。まして、今日は雨だ。ああこの鬱々とした空気。朝起きてこない。当然だ。夜中まで起きているのだ。昼前にようやく起きてきたと思ったら、ゲームや動画、SNS漬けだ。勉強も自主練も、やれと言ってハイとやるわけがない。あの手この手で脅したりなだめたり褒めたりご褒美を用意したりするも、反抗期の中学生には全く効果なし。これでいいのかどうか自分で考えろ、と言って突き放すのも手ではあるが、水は低きに流れる。「今やろうと思ったのに〜」と言ってキレれば、全てがリセットされるとでも思っているのか。腹がたつ。

先週、半日留守にして家に戻ったら、部屋中お菓子のゴミが散らかっていて、イラスト風の落書きが散乱、絵の具やパレットがひっくり返っていて、ゲーム実況の動画がモニターにつきっぱなしでボカロの音楽がガンガン鳴っているような状態の中で、ケラケラ笑いながらTwitterのやりとりをしている娘を目の当たりにした。この状態で、生まれてきたときに「生きているだけでありがたい」と思ったあの感情をキープすることは難しい。

元凶はわたしの育て方だろうか。幼稚園の頃から、朝が起きられずに遅刻ばかりしていたムスメを、ようやっと朝練に間に合うように送り届けるところまでこぎつけたのに。全部おじゃんだ。もう一度、ヤツをお腹の中に押し戻して、最初からやり直せたらと思うくらいだ。

ネットには子どもの心配をして、様々な声が溢れている。大いにありがたいが、心を病んで壊れていく親も少なからずいるのだと思う。いや、わたしはまだ大丈夫。の、はず。たぶん。おそらく。



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