人間感覚を失ったあの夏(5)〜肉体とつながらない危機と非日常生活の終わり〜
1〜2週間、悟りという通常の感覚とは全く違う所で静かに過ごしていました。
90〜100%悟りの状態でずっといられたなら、もしかしたら問題なかったかもしれません。
けれども朝と夜、子供と一緒の時だけは、通常の感覚を気合で少し取り戻します。
すると、それと同時に起きる、今の自分の状況に対して、このままでいいのだろうかといいう葛藤。
こうして悟りの境地に入ったり、少し出たりを繰り返しているせいか。
霊体と肉体の繋がりが徐々に弱まってきました。
○ 霊体が肉体につながらない
そして、ある日のこと。
何がきっかけにということでは多分なかったのですが。
とうとう、「霊体が肉体につながらない!」
という状態になっていきました。
これはグラウンディングできていないとか、そんなレベルのお話ではなく、生命の危機に直面します。
大変なことです。
命をつなぐことはできたので、肉体と完全に離れる所までは幸い至らなかったものの、首の皮一枚でやっとつながっているような、かなり危ないギリギリの状態だったと思います。
もしも肉体と完全に離れてしまったら、恐らく心臓の鼓動も止まっていたでしょう。
異変に気付いた最初の頃は、
「肉体にあんまりはまりきれてないなぁ。」
と少し違和感はありながらも、そのうち自然に元に戻ると思っていました。
けれども状態は、ある時から急に悪く進みます。
霊体と肉体のつながる箇所は4点あるのですが、自分の霊体の状態を視ると、その4点とも外れており、これはかなりの異常事態です。
意識はあるけど、肉体からとっても遠い。
体はここにあるのに、意識(霊体)がだいぶずれたところに存在しています。
肉体である脳との連携もうまく取れないので、思考がいつもよりはっきり働かない。
今にもフワフワ飛んでいってしまいそう。
そこまで気持ちの悪い感覚でもなく、自然に身を任せたら、そのまま肉体から完全に離れて、死ぬこともできた気がします。
(今思えば、人生の最期、人が死んでいく時も、こんな感覚なんでしょうね。)
○ 「死んではいけない!!」
でも、そんな時に浮かぶのは、やっぱり自分の子供達の姿でした。
私が死んだら、あの子たちはどうやって生きていくことになるんだろう。
色々なパターンを考えみましたが、どうも良い結果になるストーリーが浮かびません。
そこでハッと目が覚めます。
「そうだ、死んではいけないっ!!!」
この瞬間、悟りの状態からは、ほぼ抜けました。
肉体に戻らなければ!
つながらなくては…!!
でも困ったことに、その戻り方が分からないのです。
テクニックとして、そのやり方は知っているんです。
でも、人にいつもやっているように、自分に対して試みますが。
そもそも肉体と繋がっていないという不安定な状態で、エネルギーの操作ができるわけもなく。
(自分のエネルギー状態が不安定だと、簡単なヒーリングなども上手くできなくなります。)
あの手この手、思いつくことは全てやってみましたが、効果はありません。
一晩寝て起きてみても、肉体から今にも離れそうな状態は変わっていません。
「死んでしまう!死んでしまう!あぁ、このままでは本当に死んでしまう!」
本当に焦りました。
久しぶりに感じた、生への執着と、死への恐怖。
「自分ではもう対処できない。誰かに助けてもらおうか…。」
今のこの重症なエネルギー状態を、
解決できる可能性のある人。
どうしても1人しか思いつかない。
でも、守護霊さんがその人でも
「助けられない」
と言い、さらに窮地に追い込まれるような気持ちに。
わらにもすがりたい思いでしたが、辿り着くまでの道中で、更なる異変が起きたらもっと困るとも思い。
その人に連絡するのをグッと思い留まりました。
どうしよう…。
どうしよう……。
○ 3日目も変わらない状況
ついに3日目。
肉体とつながれない状況は全く変わりません。
ずっと夫もいないので、
尚更一人で闘うしかない。
どうして自分ばかり、
人が理解できないような、
おかしなことで悩まなければならないのか。
夏に入ってから続く非日常生活を振り返りながら、孤独感も増していきました。
そしていよいよ、肉体につなぎとめておくことにも限界がきた気がする。
「あぁ、もうすぐ死ぬのかなぁ…。」
子供達と一緒にいる時は、子どもは気づいていないだろうけど、今命の狭間をうろついてしまっていること自体が、とても申し訳ない気持ちになります。
「やっぱり、死んではいけない!」
3日目も、自分で思いつく限りの対処をしてみるけど、全く改善せず。
「ダメだ………っっ!!!」
普段滅多に取り乱さない私が、この時ばかりはワァーーッとパニックになりました。
でも、一度発散した後。
思考できるくらいには落ち着かないとと、心臓はバクバク言いながらも、なんとか自分をコントロールします。
なんとかしなければ、なんとかしなければ…。
○ メールの文字からのヒーリング
自分1人ではもう対処できない。
必ず誰かの手を借りる必要がある。
でも、誰か…???
知っている人を全員思い浮かべても、この重症なエネルギー状態を改善させられるサイキックな人はいない。
じゃあどうするか。
その時何故か、ある人に連絡したいという思いが、根拠もなく自然と湧いてきました。
不思議に思いながらも、こういう時は守護霊さんの指示であることを知っていたので、その人に連絡してみることに。
その人がサイキック的に対処できないのは分かっていましたが、今のこのパニックに近い状態を、少しでも落ち着かせることができたらという思いもあり、メールで簡単に状況を説明してみました。
すると返信は。
彼女なりに思いつくアドバイスが、とても優しく丁寧に書かれていました。
案の定、彼女のアドバイス自体は、私もすでに知っていることだったので、残念ながら役には立たなかったのですが。
驚いたのは、その後。
メールの文字から、私を心から心配し気遣う、優しい気持ちがいっぱいに溢れ出てきたのです。
そのエネルギーを私が全身で浴びると、
体の中で勝手に自動ヒーリングのようなことが起こりました。
そうしたら、今までの状態が嘘のように、急にエネルギー状態と心が落ち着いたのです。
肉体とだいぶつながって、いますぐ死ぬ可能性は、ほとんどない状態。
心もとても温かくなり、完全に守られているような感覚になりました。
緊張していた全身の筋肉が、一気に緩みます。
予想もしない方法で、今すぐに死んでしそうな危機的状況からは、とりあえず抜けることができました。
どれだけ安心したことか。
どれだけ彼女への優しさに、感謝したことか。
「これで私はまだ、生きることができる!!」
○ 友人と話すことで完全回復した肉体とのつながり
それでも、完全に肉体とのつながりが戻ったわけではなく、少し不安定な状況は続き。
その数日後。
たまたま友人とオンラインで話す約束の日でした。
悟りの境地からは抜けていた時期だったので、いつもと変わらない普通の会話ができそうだという所にホッとしていただけで。
今のこの理解不能であろう状況を相談しようとは、最初は思っていなかったのですが。
でもとても気の合う所がある友人で、ピッタリな波長で色々会話しているうちに、なんだか自然と、自分の今の状況を話していました。
もう自分の中で苦しいとか孤独な思いが、パンクしそうな程膨らんでいたせいかもしれません。
話し始めたらワッと泣き出してしまいました。
本当に死への恐怖を感じていたこの数日と、そこに至るまでの夏の間の色々なこと。
もちろん機密情報的なものもあるので、全部話せるわけではないのですが。
それでも彼女は私のことを一生懸命受け止めようとしてくれて、一生懸命励ましてくれました。
全く変人扱いするわけでもなく。
本当に優しく、親身で。
話している最中はいっぱいいっぱいでしたが、
話し終えたら、とても落ち着いていました。
で、気づいたら…
「あれっ!?
つながってる!!!」
自分の霊体と肉体が、とてもしっかりとつながっているのです!
またまた、こんなことで解決ができるとは。
改めて、人の優しさやつながる大切さ、
一人では生きていけないということを、身にしみて感じました。
非日常生活から生きて帰ってこられた奇跡と、これからも生きることのできる喜び。
そしてこの時を境に、本当に長かった非日常生活が、おしまいになりました。
この非日常生活が始まってから終わるまで、約2ヶ月くらい。
終わって振り返っても、上(高次存在)に仕組まれたかなと思うのは、夫が仕事で不在な期間ときれいに一致していたから。
お陰様で、私は非日常生活にどっぷり浸り、これでもかという程苦しみました。
でもそのお陰で、生半可では得られない大きな学びと、サイキック能力も少しレベルアップしました。
それではいよいよ、
次回がこのシリーズの最終回となります⭐︎
(つづく)
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