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【050】学級崩壊とモンスターペアレント、”卵が先がニワトリが先か”問題

息子が小学生だった時の話です。

息子が通うクラスが学級崩壊の危機にあるとのことで、臨時保護者会が召集されました。学級担任の先生から聞かされるクラスの状況報告によると、あらかじめ息子から聴いていた通りで、生徒が授業中に勝手に歩き回ったり教室を出て行ってしまうというショッキングなものだったのですが、それと並んでショッキングだったのが、そこに参加していた保護者の言動でした。

ある保護者(女性)は、担任の先生に「あなたに担任としての能力がないから学級崩壊するんですよ!どういうつもりですか?」「あなたのような人に担任は任せられません(続く)」とヒステリックな声で先生にまくし立てていました。鬼の形相で心底恐ろしかった…。そして5人ぐらいの父兄がそれに同意する形で大声で叫び始めました。その場にはこうした過激派と、その過激さにドン引きしながら見守る派(こっちが多数派)のふたつに分かれました。

その時は、本当にモンスターペアレントっているかと驚いたのと同時に、その親達の家庭での振る舞いを想像して複雑な気持ちになりました。

その親の感情の爆発をコントロールできない様子から想像するに、その親は子供の前でも「あの先生は頼りない、能力がない」ということをイライラしながら話しているのではないか。仮に言葉として発しなかったとしても、子供は親の態度のから、教師に対するネガティブな感情を感じ取っているのではないか。そしてその子は素直に親の感情とシンクロすべく、学級担任を小馬鹿にしているのではないか。

先生を小馬鹿にしているような生徒が数多く存在するクラスであったならば、生徒達が先生の言うことを聞かずに歩き回るのも想像できるような気がします。実は、先生を小馬鹿にするモンスターペアレントたちが、学級を崩壊させることに一役買っているのではないか。

当の保護者会は、崩壊してしまったクラスをどのように正常化していくかという、学校長や先生からの説明や議論の場になるはずでした。でも、激しく教師を罵倒する父兄の姿をみるにつれ、どうして学級が崩壊したのか、その理由の一端がわかるような気がしました。そして教師と生徒の信頼関係の成立しないクラスを本質的に正常に戻すことはとても難しいように感じました。

事実、その学級担任が生徒達に信頼されるだけの人間力や経験が足りなかった可能性は大いにあります。でも、教師という職業に就いているということだけで、万能であることを求めるのは酷だと思います。先生も人間なので。

そうなると、家庭にいる親も含めて健全な学習環境を作ることに協力をする必要があると思います。少なくとも、教師を馬鹿にするような態度で、それを妨害しちゃダメだと思うのです。

教師を小馬鹿にする親が学級崩壊を助長している…その縮図を保護者会で見せられたような気がして、根深い問題を感じたのです。



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