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死ぬまで自分の足で歩くためにすること

寿命と健康寿命の差は約10年

人生100年時代と言われるくらい高齢者が増え続ける中、コロナ禍で外出を控えるという方も多いと思います。
古くからあるスポーツクラブでも会員離れが深刻だと、コンサルをされている方からお聞きしました。
でも動かなければ筋肉はすぐ衰えるし、体力も落ちていってしまいます。
特に高齢者にとって怖いのは、
「つまずくこと」
ここから負のスパイラルが始まります。

よく耳にする健康寿命という言葉。
調べてみると「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生きられる期間」とあります。
要は元気で好きな物を食べて、なんでもできるしどこにでも行ける、そういう期間の事ですね。
2022年の厚生労働省の発表では男性の平均寿命は79.55歳、健康寿命は70.42歳でその差は9.13年。
女性の平均寿命は86.30歳、健康寿命は73.62歳、その差は12.68歳です。
2019年の差は男性が8.73年、女性は12.07歳で、2016年より少し短くなっていたのに、ここでまた寝たきりになる時間が少しずつ伸びているのは、運動不足も関係しているのかもしれません。

この数年、60歳以上の方のウォーキングレッスンをさせていただく中で、健康寿命を延ばすために、つまずかない状態を作ることが必要不可欠だと感じるようになりました。
つまずきから起こる負のスパイラルを止められれば、最後まで自分の足で歩いて、幸せな人生を全うできる可能性が格段に上がります。

運命の分かれ道、それは・・・

レッスンをしていると、年齢に関係なく
「段差のない所でもつまずく。」
とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。
ただ、若い人と60代以降の方では決定的な違いがあります。
それは若い方は内またやひざを使って歩くなど、歩き方の癖のせいでつま先が上に上がらないのに対して、60代以降ではそもそも踵で着地をすることが出来なくなっている方が多いということです。

踵で着地をする。
当たり前のように思われるかもしれませんが、これが出来ていない方が本当に多くて、そういう方は足の裏全体で着地をするような状態になっています。
足と地面の間には隙間もなく、つま先が上がらないので足を引きずって歩くような形。だからつまずきやすいんですね。

しっかり踵で着地ができていれば、骨粗しょう症防止の踵落とし運動などをしなくても、歩くだけできちんと踵に衝撃を与えることもできるし、更に踵で着地をし、最後は親指で蹴って踏み出す「あおり運動」ができれば、筋肉は鍛えられ、血流を良くし、むくみも解消されます。
踵で着地ができるかできないか。
これが運命の分かれ道です。

ではなぜ踵で着地ができなくなるのか。
これにはいくつか理由があります。
1 若い時から内まただった
2 ひざを使って歩いている
3 筋力が衰えてきた

1は特に女性に多いのですが、内またの癖のある人は歩いている時全くつま先が上がりません。
だからよくペンギン歩きと言われたりします。
つま先が上がらないということは足首が動かないため、アキレス腱からふくらはぎにかけてが伸びにくくなり、更につま先が上がらない状態になります。
こういう方は足の裏を全部床に着けたまましゃがむことができません。
気になる方は是非お試しください。

2は性別にかかわらず一番多いタイプです。
膝を使って歩く方は歩く時に常に膝が曲がった状態で、こちらも足が上がらずどたどたとした印象になります。
地面すれすれに足が移動していくうちに、踵ではなく足全体で着地をするようになってしまったという感じです。

そして高齢の方に多いのが3番です。
もちろんそれまでの歩き方に問題はあるのですが、筋力が衰えたために足を持ち上げることができなくなってしまった方。
こうなると歩くスピードも格段に遅くなります。
実は歩くスピードが遅い=介護率が上がるとも言われています。

では何に気をつけていけばいいのでしょうか。

姿勢、内またの解消、そして足のつけ根

踵着地できちんと歩くためになにをしたらいいのか。
まずは足が持ち上げられるような姿勢作りは必須になります。
背中を丸めて下をむいて歩いている状態では、足はあげたくても上がりません。
まずは背筋を伸ばして頭を上げる。
顔を正面に向ける。
これが意外にできていないのです。
この姿勢のポイントに関しては、また別の記事でお話していこうと思います。

次に内またの解消。
内または筋肉が足の外側についてしまうので、どんどん外側を使うことが楽になってしまい、靴も外側が減るようになるのと相まって、かなり意識しないとなかなか直すことができません。
ですから一日でも早く、この悪しき習慣をやめることをお勧めします。

そして一番大事な事。
足のつけ根の部分を使って歩くということです。
先ほども書きましたが、ほとんどの方はひざを使って歩いています。
無意識に使っているので、何を言われているのかわからないという方も多いと思いますが、例えば立って片足をぶらぶらさせる時、膝から下をぶらぶらさせるのと、付け根の部分からぶらぶらさせるのでは、全く動き方が変わりますよね。
歩く時はこのつけ根からぶらぶらの意識で歩くのが正解です。
これをすることで、自然と足が持ち上がるようになって踵でしっかり着地をすることができ、更につまずかなくなる。

歩くことは、皆さん1歳ごろから誰に教わるでもなくやってきて、改めて習うなんて必要ないという気持ちが強いと思います。
でもそれで先の人生が大きく変わるとしたらどうでしょう。

死ぬまで自分の足であるく。
今から始めても遅くはありませんよ。

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Belle Posent(ベル・ポーズ)
ウォーキングレッスン・インストラクター育成・研修・講演・セミナー
代表 水野里香
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