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Nちゃんの 読み切り小説

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2020年3月の記事一覧

他人の骨を拾う

他人の骨を拾う

ふと、思い出した。

母と2人で行った、火葬場。

私達以外に人はおらず、通夜も葬式もなかった。

なくなったのは80才くらいのおじいちゃんだった。
母は確かその人をじっちゃん、と呼んでいた。

お見舞いには1度だけ付いて行った気がする。

母が着ていた服は丈が短く屈むと腰が見えた。

病室のベットで寝ていて、起き上がるのもやっと。
今にも死にそうな痩せこけたお爺さんは、
手を伸ばし母の肌に触れよ

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