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Night

背徳感に似た何かと圧迫感、そして異物感が
イケナイことをしているという見たくない現実を
突きつけてくる

きっと目が覚めたら、
そうでなくてもその先の未来で
酷く後悔するのだろうと頭の片隅でわかっている
のにそれでも止めるつもりは私も君も、なかった
だから、何も見ないフリをした
求めて求められているこの感覚を手放したくない
と思ってしまったから
勘違いをしてしまいそうな声音と眼差し
そのくせ、核心には触れない言葉
ねぇ君は私をどうしたいの
喉まで迫り上がる疑問は意味を成さないただの音
とやけに甘い吐息に変わっていく
だんだんと薄れていく理性と思考
このまま朝なんて来なければいいのに
意識が途切れる直前、柄にもなくそんなことを 思ってしまった

目が覚めて、案の定酷く後悔した
馬鹿じゃないの
こうなることはわかっていたはずなのに
どうしてそれでも良いだなんて思ったんだろう
好き、なのだろうか
もっと触れたい、一緒にいたい
この感情は果たして恋と呼べるものなのか
ただ一線を越えてしまったが故の感情である
可能性は多いにある というかそうだと思いたい
所謂 "ワンナイト" で終わればよかったのに
ずるずると戻れないところまで来てしまった

またなんて無いこと、あるべきではないこと
君もわかっているはずなのに

「またね」
そう言って離れていく背中に
「ばいばい」
同じ言葉は返せない

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