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不透明な愛

あなたがくれる

濁った水の中でも生きていけるようになったのは

いいえ…濁った水の中でしか、

生きられなくなってしまったのは

いつからだろう。


こんなはずじゃなかったと思う反面、

この現状に幸せを感じている自分がいる。

綺麗な恋愛に憧れたあの頃の私は

とうの昔に置いてきた。


あなたといる今が、この空間が

何よりも大切で、何よりも好きだから

誰かに邪魔されるなんて考えられなかったの。

ほら、不法侵入ってあるでしょ?

あの女は罪を犯したのよ。

私たちの世界に勝手に入ってきて、

平和を乱した大罪よ。

だから、あれは当然の報いなの。

どうしてそんなに怒っているの?

私には理解できない。

あなたは私だけのものじゃないの?

私はあなたに綺麗な水をあげてたのに

あなたが私にくれる水はどんどん濁っていくの。

そんなの可笑しい、あり得ないわ。

ねぇ、私だけを見てよ。

約束したじゃない。

ずっと愛してくれるって。

ずっと隣にいてくれるって。

あれは嘘だったの?

ねぇ、黙ってないで答えてよ。

まぁ…嘘なんて言わせないから。

だって

これからはずっと一緒だものね。


「あなたのことがこんなに大好きなのに

 どうして応えてくれないの?」


私の愛で濁った水を綺麗にしてあげるから

私だけ、愛して。

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