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そんなもんなんだよ

思い出だなんて烏滸がましい

そこにあるのは美化も風化もしないただの事実

動かすことも消すこともできなくて
だけど間違いなく自分がそこに在ったことの
証明になる
あくまで全て自分のため

忘れたくないとか きっと とか
期待紛いの自惚れは粉々に砕いて

誰だって自分の目を疑いたくはない
それでも今この場所にひとりでいることが
何よりの証拠となってしまう

狂っていた 盲目的だった
あの時も心の何処かで思っていた
だからこそ俯瞰的に見ていた
つもりでしかなかったけれど

今だから言える わかる そんなのは無理だと
自分が感じ取ったものが全てで
そこに疑いなんて1mmもない

信じていた 信じていたかった
そんなのただのエゴなのに

過去の分岐点で
仮にどれも最善を選んだとして
辿り着く結末は同じだったんだろう

それなら 自分が辿った道筋は正解だった
いや 正解のシナリオに導かれたのか

何も知らない馬鹿だから
君の望み通り 散々泣いていた
君が幸せになった その3歩くらい後ろで
望み通り 憎んで 怒っているよ
好きなだけ嘲笑えばいい
そんなもので君が満たされるならば

だけど 新しい何かを得る時には
必ず別の何かを失っていること
君は気づいているのかな

誰かを突き落として手に入れた幸せの代償
教えてあげようか

たったひとつ 信頼 だよ

一度失くしたものはすぐには戻ってこない
ましてやそれが目に見えないものなら尚更

それがわからないほど子供じゃなくて
割り切って受け入れられるほど大人でもなかった
中途半端なまま 千切れそうなまま
君の見ている世界に
大事なものはいくつもいらないんだろう

あぁ 思い出だなんて烏滸がましい
これはただの "自分" の一部だ

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