さなぎダンス #13 を観て

4/29
さなぎダンス #13
 
記憶を振り返ろう大作戦です…ご容赦ください…。
 

久々に生のダンスを見たと思います。
私はどうにも、舞台を映像で観ることが苦手なのだとこのコロナ禍で気が付きました。
この2年間、舞台を画面越しの平面的な形で観るということが増えましたが、どうにも集中できず、挫折しまくっている。宝塚は私の個人的な感覚としてエンタメとして見ている部分がとても大きいので、まだ観れますが…。
ことに「ダンス」となると映像は難しいのです。受け取ることができる情報が、あまりにも少なすぎる。動く肉体は、目の前でみるからこそ価値があると実感しました。

さて、さなぎダンスは今回観るのは初めて。
メモタルホールのこじんまりとした、外界から隔離されたような空間の中で観るダンスは、ダンサーのかすかな身体の軋みや息遣い、空気の流れや圧が感じられてとてもよかったです。これは映像だと本当にわからないんです…。


松倉祐希さんの「夜夜中」
ちいさな裸電球を使った作品。明かりが灯ることによって、安心感と孤独感を感じる。裸電球が揺れ、身体が揺れ、世界が揺れる。真夜中の開放感と不安を行ったり来たりする不思議な心地よさを感じる作品でした。

池田勇人さんの「みじんこの唄」(監修 金滿里さん)
劇団態変のお二人による作品。そういえば学生時代に授業で観たな…となんとなく思い出しました。
池田さんは察するに身体障がいをお持ちの方で、だからこその動きの面白さがありました。単に予測がつかないこともありますが、それ以上に思うに動かないからこそ、動きそのものに強い「意思」を感じました。そして、目の力強さ。あんな目を見たのは初めてかもしれません。目をそらしてはいけないと、こちらも向き合わざるを得ない強さがありました。

栗棟一恵子さん+MITEI NARICOさん「地中の夢 ~2022 Metamor Hall~」
MITEIさんによってその場で空間全てを満たす不思議な音と、栗棟さんによる身体の動き、その結果生まれるかすかなノイズや呼吸、パチンと叩く乾いた音…全てにひたすらに全神経を研ぎ澄ます時間でした。一つひとつを積み上げていくような栗棟さんの動きを、一瞬でも逃せば、崩壊してしまうような繊細さが印象に残っています。


当時、いろいろと個人的に落ち込んでおり、天気も良くなかったので笑、キャンセルも実は考えていました。しかし、観てよかった。終わった後、エネルギーをもらったような清々しさを感じました。
個人的なお話ですが、企画された上念さんは大学時代の先生でして、上演の合間に挟まれるお話は久々に授業を受けたような懐かしさがありました。(何も連絡せずにふらっと観に伺ったので驚かせてしまいましたが…笑)

また、こういった機会があれば観たいなと…。ダンスはやっぱりいいですね。

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