花組公演『Cool Beast!!』

前回の記事に引き続き、ショーの感想。

こちらに関しては、私は好きです。個人的に藤井大介先生の作品は好きなので…笑 基本的に、難しいことを考えずに楽しい、お祭り気分な要素(陽キャ的なノリとも言う)もありつつ、かつ宝塚らしい美しさも忘れない作品が多い印象。今回も期待を裏切りませんでした。

タイトル通り、「野獣」がテーマ。ゆずかれーは野獣、華ちゃんは花、他の生徒さんも野獣が多かったかな。その中で唯一あきらのみが人間という役。


さて、観劇からかなり時間が経ってしまったので、覚えている場面を抜粋しての形にします。

プロローグ、テーマ曲の「ギャオギャオギャオ」という歌詞が印象的で楽しい!娘役の衣装がヒョウ柄のかなり短い丈のミニワンピースで、とても攻めているなあと。

「テラ・インコニタ」は個人的に名場面だと思います。オアシスのほとり、荒々しい野獣は美しく佇む花を見つけ、二人は恋に落ちるというストーリー。野獣と花の恋物語なんて、少し2次元的でありがちかもしれないけど、ゆずかれーと華ちゃんの、心で会話をするようなダンスで神話の世界のように見える。美穂圭子さんの歌声も相まって、本当に美しい絵本を眺めているようでした。

その次の場面では、ご贔屓さんを追っていたため…記憶が曖昧笑 でも、音くり寿ちゃんの歌声が素晴らしかったことは覚えています。美穂さんの後に聞いても遜色がない。

結婚式の場面。今回で退団となる、美花さんと菜音くんはかわいらしい花嫁・花婿を演じていて、微笑ましい。でもなんで結婚式?と思っていたら「お肉食べれる♪」という歌詞が…笑 まあ確かに食べるけども。こういうこじつけ的な発想でもショーなら成立してしまうのが、好きです。4月25日に観劇した際には、場面終わりに、美花さんと菜音くんのみが一歩前へ出てお辞儀。拍手もとても大きかったです。

ナイトクラブの場面。トップスターが骨付き肉をマイクに歌うという理解不能な風景…の前でめっちゃキザに踊るひとこに安心感を覚えてしまった。まいてぃー登場した時の振りにガストンみたいなポーズが入っていて笑いました。普通に「俺の方がかっこいいぜ対決」な場面かと思いきや、最後にどでかい骨付き肉をゆずかれーから貰ったまいてぃーが大喜びしていて終わったので…お肉対決だったのか、何なのか。

中詰は衣装が柄×柄、色鮮やかで眩しい。この場面の曲、K-POPらしく、「ウェルカム ジャンゴー」って歌っていた記憶はあるんだけど…検索しても出てこなかった。どなたか教えてください。

「ペラクトルム」も、名場面ですね…。野獣ゆずかれーと人間あきらのダンス。野獣のしなやかさと、人間の強さをそれぞれに持って、敵対するような、求めあうようなダンス。半身がスカートのような衣装を着たゆずかれーは両性具有ではあるんだろうけど…。なんというか、性別的なものではなく存在としての色気がとても素敵でした。そう考えると、こちらも神話のよう。

その後、華ちゃんの銀橋ソロ。蝶のような他の娘役さんに囲まれ、可憐。花のモチーフがたくさんついた紫の衣装、みつあみのヘアスタイルも相まって、ラプンツェルみたいでかわいい。そして、やっぱり歌が本当にうまくなった…。

黒燕尾後の、大階段の上でライトを浴びて登場する華ちゃんの「花組トップ娘役」感。まっすぐに客席を見つめる強いまなざしが、とてもかっこよかった。トップとしては大劇場たった3作、もっと在籍していれば、この先いろんな華ちゃんを観ることができたかもしれない。かわいらしい永遠の少女のような子が、その純真さは失わないままに、しなやかな強さも持った娘役さんになった。それだけで、もう華優希という娘役はトップとして存在した意味があるのだと思います。

あきら、パレードでは2番手羽を背負っての登場。決して順調に路線街道を渡ったわけではないかもしれないけれど、でも着実に2番手というポジションに就いた人だと思います。それでも、というかだからこそ、羽を背負うというのはやっぱり良かったねえ…!と思う。


緊急事態宣言で、宝塚での千秋楽は無観客配信…改めてやっぱり切ない。でも、どうか、退団者たちと組子、スタッフさんたちが心穏やかに公演をやり切れますように。



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