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Shurkn Pap, CHICO CARLITO, Mary J. Blige, Big K.R.I.T. , Denzel Curry… | 新譜ピックアップ (2022.02)

こんにちは、リホです。

2022年2月にリリースされたアルバムや楽曲から、おすすめ作品をピックアップしてご紹介します。

月次で記事を書いているので、過去分も読んでいただけると嬉しいです。前月分はこちら。

Shurkn Pap - CALL ME MR. DRIVE 2

ヒップホップ文化における車。度々楽曲のモチーフにされ、ラッパーのライフスタイルや権力の象徴として描かれてきました。

姫路を拠点に活動するShurkn Papがリリースした『CALL ME MR. DRIVE 2』では、タイトルの通り、全編を通して車やドライブについて描かれています。"CALL ME MR. DRIVE"としつこい程繰り返されるフレーズと各楽曲のテーマ性から、ラッパーの"車"に対する愛がこれでもかという程感じられる作品です。

G-Funk調のサウンドがリリックの世界観とマッチし、"外"であるとも"内"であるとも言える、独特な移動空間の世界観を広げます。それはときに女性的に描かれ、「走る喫茶店」や「道の上はダンスフロア」ではその顔を変えてみせ、聴き手がハッとするような多様性を提示するのでした。ちなみに「Ms. 摩耶」ではラブソング的なリリックにドキッとしますが、兵庫県に所在する摩耶山がモチーフとなっています。

CHICO CARLITO - Sandra's Son

「ラップやめようかな」と思ったとも語る沖縄出身のラッパー、CHICO CARLITOの最新作。

1曲目、「23時30分」ではBAD HOPのメンバー、T-Pablowのリリックと自身の名を紐付け、"CARLITOの道"と謳うリリックにアーティストとしての意思表明を感じます。
元々精力的に活動するも、特にラップバトルシーンでの活動が目立っていた印象。JIGG、WATARAI、OLIVE OIL、そしてBACHLOGICなどシーンを代表する幅広いプロデューサーやゲストラッパー陣を迎え、楽曲制作に対する意思も一新されたような姿勢を感じます。

曲によって顔を変える表現力や、独特のアクセントと滑舌の良さが際立つフロウが心地良く、ドラマチックなアルバム展開にも惹かれます。
タイトルにもなっておりラストを飾るのは「Sandra's Son」。アーティストとしても一皮むけたようなCHICO CARLITOが、ラストに母Sandraに向けて贈るメッセージには涙しそうになります。

Mary J. Blige - Good Morning Gorgeous

世界中を熱狂させた今年のスーパーボウルハーフタイムショーでも、圧巻のパフォーマンスを披露したMary J. Blige。
そのパフォーマンスの直前にリリースした(割にあまり取り上げられていなかった気もしますが、)通算14枚目となるスタジオ・アルバムが、今作『Good Morning Gorgeous』です。

R&Bバラードを得意とする女王は、今作でもその作風を引き継ぎつつ、新世代のスターアーティスト達を存分にゲストとして迎え、「Amazing」や「On Top」では、実験的な楽曲にもチャレンジしています。

表題曲は深い気持ちの落ち込みと向き合いつつも、"Good Morning Gorgeous"と自身に語りかける自己愛について歌った歌です。音楽シーンにおいては、頂点の1つに上り詰めたといえる彼女ですが、何故かいつも悲哀がつきまとう印象(プライベートでは2018年に元マネージャーの夫と離婚しています)。まあ、それでこそ彼女の音楽に深みが増すとも言えるのですが。

Big K.R.I.T -  Digital Roses Don't Die

ミシシッピ州のラッパー、Big K.R.I.T.。ファンク的なアプローチを強く感じ、歌うK.R.I.T.が目立つアルバムは、ファンにとっては新鮮で、同時に新規のリスナーにも足を踏み入れやすいサウンドに仕上がっています。

アルバムはアリストテレスの四元素に基づく4つのInterludeを挟む構成になっており、17曲入りの構成にメリハリをもたせているように感じます。(最も、ここに関しては明確にトーンが変化するというよりは、箸休め的な役割の方が強そうです。)
Chance The Rapper、或いはBruno MarsとAnderson .Paakによるユニット、Silk Sonicなどの文脈としても楽しめるアルバムではないでしょうか。

Denzel Curry - Zatoichi ft. slowthai

Denzel CurryがSlowthaiを迎え、ドラムンベースのビートに乗せるシングル「Zatoichi」がリリースされました。近日発売予定のアルバム、『Melt My Eyez See Your Feature』に収録されるようです。

浮遊感とダイナミックさを感じるサウンドに、攻めるようなDenzel Curryとslowthaiのラップが映えます。日本映画の「座頭市」とキル・ビルシリーズから着想を得たというタイトルおよびアートワークや、独特な世界観に引き込まれるMVも必見の作品です。

その他の注目楽曲 / プレイリスト

その他、2月のおすすめ楽曲をまとめています。

米津玄師の新曲「POP SONG」では、ラップ的な手法を感じるリリックに遊び心を感じました。話題の絶えないカニエことYEが参加した、「Diet Coke」や「City of Gods」も注目です。


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