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Cordae, Amber Mark, lil beamz, KOHTA OHTAKE, KM & Lil' Leise But Gold… | 新譜ピックアップ (2022.01)

こんにちは、リホです。

2022年1月にリリースされたアルバムや楽曲から、おすすめ作品をピックアップしてご紹介します。

月次で記事を書いているので、過去分も読んでいただけると嬉しいです。前月分はこちら。

Cordae - From a Birds Eye View

決して派手さのあるラッパーではないものの、最新のヒップホップとオールドスクールを組み合わせたスタイルや、リリカルな表現から人気の高いアーティスト、Cordae。

参加していたクルーが解散してからは、アーティスト名から「YBN」を取って活動を続け、待望のセカンドアルバムである『From a Birds Eye View』をリリースしました。

刑務所で服役中というShilohのフリースタイルの、< Or let my brother tell the story from a bird's-eye view> というリリックから始まる本作。祖母や友人に関するエピソードなどパーソナルな一面も語られ、より内省的な内容に。

「Want From Me」や「C Carter」などメロディアスな曲もアルバムの雰囲気を引き立てており、Lil Wayne、H.E.R.、Lil Durk、そして「Campagne Glasses」ではFreddie Gibbs、Stevie Wonderと豪華なゲストも見どころです。

パートナーである大坂なおみ選手が、リリースを祝福する素敵なコメントを寄せていたことも印象的でした。

Amber Mark - Three Dimensions Deep

R&Bシンガー、Amber Mark待望のデビューアルバム『Three Dimensions Deep』がリリースされました。

昨年はアルバムの噂がされつつも立て続けにシングルをリリースをしていたため、アルバム収録予定曲出し尽くしているのでは?などと心配していたのですが、全くの杞憂でございました。寧ろ、その内容の壮大さに驚かされました。

ドイツ人の母とジャマイカ人の父の元に生まれ、世界各都市を転々として現在はニューヨークを拠点とするアンバー。

アルバムは内容的に三部構成になっており、1つ目のパートは不安に対面し乗り越え、2つ目のパートでは自信をつけていくような構成になっています。驚くのが3つ目のパートで、なんと各天文学や科学と、スピリチュアルな要素を結びつけてより高次元に向かっていく内容に。コロナ禍で感じた人々の苦しみや、元々スピリチュアルなものに信仰の深かった母の影響もあるようです。

なるほどそうしてみると、アルバムタイトルとの紐づきや、後半のサウンドから、神々しさすら感じるラスト「Event Horizon」への繋がりにも納得がいきます。

まあ、そうした前情報無しでも楽しめる、今年を代表する作品であることは間違いなく、R&Bの一言では片付けられない豊かな音楽性が魅力的な作品です。

lil beamz - Lil Beamz 3.0

兵庫を拠点に活動するlil beamzのミックステープ『Lil Beamz 3.0』がリリースされました。

元々BEAMSで働いていることに因んで名付けられたというMCネームが特徴的なラッパー。四つ打ちのビートに乗せた「MICHIKO LONDON」で注目を集めました。
今作ではよりHyperpop的なサウンドが(本人は意識して作っているわけではないようですが)、日常を描いたリリックと若々しさ・勢いのあるスタイルにマッチしているように思います。

私が特に繰り返し聴いている「S.K」では、仲間への愛と、自分自身を鼓舞したり、嫌いになったりといった感情の起伏、或いは<最高で最低>と表現する等身大の叫びが、ビートと相まって非常に高揚感のある楽曲となっていました。
アルバムを締めくくる「Cloudless Sky」は雲ひとつ無い情景と未来に向けた前向きな姿勢が思い浮かぶ爽快感のある楽曲。

KOHTA OHTAKE - 半端者+浮遊泳

札幌出身のアーティスト、KOHTA OHTAKEのデビューアルバム…とのことですが、全く情報が無く正直よくわかりません。

ただ、エレクトロニックなビートにHIPHOPとR&Bを交差するようなラップ/メロディが非常に心地よい作品でした。おすすめは切なさのある歌詞とサビへの盛り上がりがドラマティックな「ホーム・アローン」です。

個人的にはtofubeatsを彷彿とさせる音楽性だなと思ったのですが、そこまでポップに振り切っているわけではなく、浮遊感のある落ち着いた楽曲が続きます。これからの動向が楽しみなアーティストです。

KM, Lil' Leise But Gold - Stay Ⅱ 

「Stay」は元々LEXが参加したKMの楽曲ですが、昨年渋谷WWWで行われたKMのリリース公演で、奥様であるLil' Leise But Goldがカバーし話題になりました。そして、後日音源が配信サービスでも利用できるように。

オリジナルのLEXのバージョンはどことなく寂しさを感じるメロディと、トラップをベースにしたLEXのフロウが流れるように続くエモーショナルな楽曲でした。
今回のLil' Leise But Goldのカバーでは、KM自ら弾くアコースティックにのせて囁くような、語りかけるような前半と、後半のビートの爆発(!)の強弱が印象的。1フレーズごとに置きに行くような彼女の歌い方もLEXと比べると新鮮でした。ライブハウスで伸々と歌う様子にも、こちらまで笑顔になります。なんと素敵な夫婦でしょう。

オリジナルも今回のカバーも、どちらも甲乙付けがたい程良いので、ぜひ聴き比べていただきたい楽曲。

その他の注目楽曲 / プレイリスト

その他、1月によく聴いていた曲をまとめています。

The Weekndのラジオをモチーフとした新作『Dawn FM』でシティ・ポップの有名曲をサンプリングされていることや、宇多田ヒカルの『BADモード』でみせる表現やプロデューサー陣が話題になりました。


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