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中学生英語もわからない私が塾講師として指名1位になるまで



私がまだ学生だった頃、塾でアルバイトをしていた。

私は頭が良くない。高校も進学校ではなく、大半が就職か専門学校へ進学する。
大学生になってからも入学後の試験での点数が悪く、数学と英語は補習の授業があった。そんな私が塾講師になった。

きっかけは単純で、妹が通っていた塾に講師の募集があり、そこに応募したこと。
ほとんどコネみたいなものだったと思う。(高校入試の問題を解いたが多分ひどい点数だった)

偏差値が低い私が4年後には生徒の指名数1位になった話をしようと思う。

自分の頭が悪いからこそできること

塾講師というと、偏差値が高い進学校に通い、有名な大学に通っているイメージがある。実際に私以外の塾講師の先生たちは有名な大学に通っている人や、元学校の先生がほとんどだった。

そのため、勉強ができない生徒たちの立場がわからない先生が多かった。
何度教えてもできない。暗記ができない。そもそもやる気がない。そんな生徒の気持ちがわからない先生が多かった。
「なんで憶えられないの」「なんでできないの」「だから何度も言ってるじゃん」
そんな言葉をしょっちゅう聞いた。

私はもともと頭が良くないので、その言葉に胸を痛んだ。
実際に私は高校生の時に家庭教師を雇い、死ぬ気で勉強した。
その結果、第一希望の大学に合格して、学生生活を送れた。

そう、私は勉強ができない生徒の立場に立つことができた。


頭が悪い私のストレングス


私は人と話すことが大好きだ。
(たまに人見知りが出てくる場合もあるので得意と言わないでおく)

大体、塾にくる理由は3つある。
1つ目は、受験を控えていて自発的にくる場合
2つ目は、受験を控えていて親が連れてくる場合
3つ目は、授業についていけず親が連れてくる場合

自発的に塾に通う場合は、やる気があり目標もある場合が多い。そういう生徒には自分のレベルと目標とを明確にして地道に勉強してもらう。

問題なのが2つ目と3つ目の親が連れてくる場合である。その場合はやる気がなかったり、そもそも勉強についていけてないことが多い。

そういう勉強を嫌っている子どもにはいくつかタイプがある。
・勉強せずに勉強についていけてない場合
・発達障害が疑われる場合
・家庭環境が悪い場合

そもそも勉強をせずに勉強について行けていない場合の子供には、目標や将来を少しイメーさせる。
(例)実際にいたお調子者の中学3年生の男子の場合。
「どんな高校生になりたい?」
———「バイトして可愛い彼女が欲しい」
「じゃあさ、こんな制服のところだと可愛いんじゃない?」
————「可愛い子がいそう」
「だよね!ここの高校に受かって、頭が良くてモテて彼女もすぐできるっていう人生っプランどう?」
————「めっちゃいいじゃん!勉強するか!」

結果、ギリギリで合格して高校では彼女ができたそう。

発達障害が疑われる場合の子供には、その子供の特性に合わせて授業をしていた。
心理学科だったこともあり、発達障害や特性の勉強を少ししていた。
LD(学習障害)が疑われる子供には、自分ができそうなこと、わからないことを話してもらったり、授業の中で発見した。

文章が全て文字として認識してしまい、文章が頭の中に入らない生徒がいた。
(例)今日から10月です。という文章を きょ か ら 10 が つ で す と読んでしまい、文章が頭の中に入らない。

その生徒には音読してもらった後に、私が代読してから問題を解いてもらった。
そうすると、頭の中にしっかり文章の意味を捉えることができ、正答率も上がった。
親御さんにもこうすると正答率が増えましたっていうのを定期的に報告することで、
親御さんの中でも「勉強ができない子ども」から「工夫すれば勉強ができる子ども」へと変化し、親子の中も良くなったことがある。

家庭環境が悪い場合の子供には、話を聞いてあげることしかできなかったが、福祉を学んでいた学生として福祉の制度があった。
複雑な家庭環境で自宅では勉強ができない、集中できないそんな子供たちは積極的に自習教室に通ってもらった。空いている時間で話を聞き、早急性のあるものは塾長へ相談して、児童相談所へ繋がったものもあった。


他の先生よりは教え方が下手かもしれない、知識がないかもしれない。
だけど、一番相談しやすい先生でいたいと思った。生徒にとって一番身近な存在でありたいと思った。

その甲斐あって(?)、そのせいか私が塾を卒業する頃には受け持ち人数が塾最多となり、たくさんの生徒に迷惑をかけた。本当にごめんなさい。

みんなどこかで元気にやっているといいな。




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