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痛ければ、もっと運動をしなさい!?

痛みがあると、安静にしなければならない、運動はしないほうがいいと思うのが一般的です。そして慢性的な痛みの悪循環を繰り返すことになります。
運動は慢性痛を軽減することが可能と言われていますが、そのメカニズムはあまり確立されていません。では、この論文に関して紹介します。

Pain sensitivity is reduced by exercise training: Evidence from a systematic review and meta-analysis
Daniel L. Belavy
Neuroscience & Biobehavioral Reviews
Volume 120, January 2021, Pages 100-108

この論文では、慢性痛における運動効果を調べた15つの膨大な研究データをさらにまとめています。(メタアナリシス)

その結果ですが、運動すること(筋力訓練)が、痛みを感じる閾値の増加に繋がることを示しています。つまり運動をすることで、痛みを感じづらい体になるということです。
さらに、痛みの教育、マッサージ、ストレス管理などの非運動介入よりも効果的であるという証拠が存在することもわかりました。

臨床現場にて、膝関節症の方で、画像上、関節の変形が進んでいても、痛みを感じづらい人がいたり、反対に軽度の変形でも痛みを感じてしまう患者さんを見かける理由としても痛みの閾値が関係していそうです。

ですので慢性的な痛みに悩んでいる方ほど運動が必要です。

運動を行うことは、ただ筋力がつくということではなく、痛みの閾値を上げる効果があるということを頭に入れて運動をしましょう。

もちろん、骨折などの強い痛みなど、炎症症状(腫れ、熱感)を疑う所見がある際は安静が必要ですので、痛みを伴わない程度の自分にあった運動が必要ですので、ご注意を。

どうぞご参考に。ではまた。

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