センター試験の思い出

今日は共通テスト、私の世代では(というかほとんどの人にとって)センター試験と呼ばれるテストの日。もう10年前とかになるかな?と思って年齢を引き算したら、なんと15年前でびびった。どんだけ昔?という感じだけれど、今でもその時のことは断片的に覚えている。

そもそも私は、今だから言えるけれど不登校をやっていて、勉強なんてできるような状態ではなかった。不登校の理由としては、別に誰かにいじめられたとかそういうのではない。学校は何も悪くない。主に家庭の事情というやつ。父子家庭で、父が病気で、それを献身的に看病する…とかではなくて、一緒に病んだというもの。とにかく自律神経がやられていて、起きれないし座っていられなかった。
遅刻してまで行こうという元気もなければ、勉強も休んだ分遅れをとるから授業を聞いても分からないし、余計に学校に行きたい気持ちを削いでいった。
そのくせ、部活動だけはやる気があったらしく、放課後になったら登校する、みたいな感じだった。逆にそれがなかったら、とっくに出席が足りなくて留年していたか、退学になっていただろう。
それでも、学校の先生方は見捨てずにいてくれて、なんとか出席日数だけでもクリアして、卒業させようと尽力してくださった。今でも、先生方には足を向けて寝られないくらいお世話をかけたし、恵まれていた。
そんな状況だから、私の家には試験を応援する人は居なかったし、逆に変なプレッシャーをかけられることもなく、私自身も半ば自棄気味で、良くも悪くも全く緊張感のないまま本番を迎えたのだった。

1日目は文系科目。午前中は社会科系、お昼を挟んで国語や外国語、最後に英語という時間割だったと思う。
なぜ覚えているかといえば、さっさと試験を終わらせて帰りたいのに、時間割のせいで朝イチから最後まで居なければならなかったからだ。
とにかく眠くてたまらなくて、寒くて横になれない試験会場が憎たらしかった。
試験はマーク式だったので、よく分からない科目は適当にマークして、試験中余った時間は寝た。
帰り道、センター試験の受験生のほとんどが英語を受験するため、バスがめちゃくちゃ混んでいて、それにもまた苛立った。午前中に国語と英語、午後に社会科系にすれば、受験生の帰る時間を分散できて、こんなに馬鹿らしい混雑に巻き込まれることもなかっただろうに、と。

二日目は理系科目。時間割は特に覚えていない。生物と、数学1A2Bの三科目を受験した。
1日目の疲れがものすごくて、よく分からないので適当にマークして寝た。帰り道のことは覚えていない。

私が通っていた学校はほぼ全員が受験生、みたいな高校で、勉強だけに集中していられる同級生が羨ましかった。
今の私の周りには、受験生のお子さんがいらっしゃる着物仲間も多くて、我が子の受験に対するアレコレを聞いたりして、その度に、応援してくれる家族がいるっていいなあ、なんて、正直嫉妬も混じったような気持ちになってしまったりもする。

けれども、どれも無いものねだりなんだよなあ、なんて思えるようになってきた近年。
受験だけに集中しなければならない環境って、一切の逃げが許されない、すごく残酷な世界だなあと思う。私みたいに、ふんだんに言い訳の余地が残されている、ある意味「楽な受験」ができたのって、一周まわって運が良かったのかもしれないなあ、とすら思う。


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