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音楽があれば(14)映画音楽「ララのテーマ」

 この「音楽があれば(途中改題)」では、これまで…ダークダックス「銀色の道」、森山直太朗「生きてることが辛いなら」、ナット・キング・コール「スターダスト」、ジョン・ウィリアムズの映画音楽、ジョン・デンバー「On the Road」、渡辺貞夫「カリフォルニア・シャワー」、U2「I Still Haven't Found What I'm Looking for」 、サイモン&ガーファンクル 、Train「SAVE ME, SAN FRANCISCO」 、「シカゴ・ブルーズの25年」 、「ビートルズ・赤盤と青盤」 、ココ・テイラー 、そしてレッド・ホット・チリ・ペッパーズとリンキン・パーク…を取り上げてきました。
 まだ13回しか投稿してはいませんが、日本のポップスやクラシックや、まだまだ好きな楽曲があるので、氷山の一角というか、ゴビ砂漠の砂つぶというか、宇宙の中の小さな流星ぐらいしかまだ取り上げていませんね。
 中でも、我ながら驚きは映画音楽については、巨匠ジョン・ウィリアムズだけしか綴ってはいないことです。
 我がちっぽけな個人史を遡れば、中学生になりギターを手にし、自分のお小遣いでLPを買い、深夜ラジオにハマるまでは、テレビだけが音楽の供給源でした。1960年代には、インターネット環境などなく、SNSで新しい音楽を発見することなどはありませんでしたから、現在のメディア環境が羨ましい限りです。
 こうしてテレビだけが供給源の時代に、子供だった私は、日本の歌謡曲と父母が好きな海外の楽曲と音楽のジャンルはかなり限られていたわけですが、さらに映画音楽というのがありました。これまでもnoteに何度か投稿しましたが、洋画好きな父母と一週間に三作品は洋画を見る機会があり、幼稚園児の頃から、私は大人が楽しむ洋画を父母と共に楽しんでいたようです。今から思えば、日曜洋画劇場、月曜ロードショー、土曜映画劇場…等々、地上波テレビが毎週送り届けてくれた素晴らしい旧作の数々のお陰で、私は良い映画教育を受けていたように思います。
 そして、結果的に厳選された旧作のいずれもが、素晴らしい音楽(いわゆる映画サントラです)を纏っていたので、映画を観ることが良い音楽教育にもなっていたようです。
 ということで、いつものことながら、長々とした前説的なお話になりましたが、このnoteの「音楽があれば」シリーズにも時々映画音楽について綴ってゆければと思っています。
 で、今回は「ララのテーマ」です。
 これは、『ドクトルジバゴ』の主題歌ともいえる楽曲で、3時間を超えるこの大作映画のあちらこちらで挿入される楽曲です。映画のストーリーは別稿で綴らさせて頂くとして、「ララのテーマ」はロシアの民族楽器バラライカで奏でられる名曲です。ロシアの広大な大地、厳しい気候、リアルな人間模様、そして第一次世界大戦やロシア革命前後の辛酸…を、この「ララのテーマ」は見事にバラライカの音符で描いてみせます。
 主人公ドクトル・ジバゴと彼が愛したラーラ・アンティポヴァが触れ合うシーンで流れるこの楽曲は、この映画の最重要な演出を担っているようです。『ドクトルジバゴ』を見るたびに、新たな発見を楽しみながらも、この「ララのテーマ」が流れると、私の心象風景に作られた「ロシア」のイメージが夏雲のように湧き上がってきます。
 しかし、良き楽曲がない映画に出会うと、ちょっとガッカリするのは玉に瑕ですね。中嶋雷太

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