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保湿成分別!効率よく潤う手肌をキープしよう

新しい生活様式が習慣化してきた方も多いのではないでしょうか。手洗いや消毒する機会が増えたことによって手肌の乾燥が気になる方が増えているようです。

外出から戻った時、食事前など手洗いや消毒をしないわけにはいきません。どのように肌のつっぱりや乾燥が起こるのか、肌の構造を知ることで潤いのある手肌を守っていきましょう。

手は特に年齢が表れやすいところと言われています。見た目の美しさだけではなく、爪周りのささくれは引っかかると痛いし、乾燥によって肌荒れしてしまうと何をするにもしみて気分が上がりません。これから暑くなると紫外線やエアコンの影響でも肌が乾燥しやすくなってしまうのでQOLを向上するためにも手肌の潤いは大切です。

これからは手洗いや消毒をする機会が増えることは確実なので、手肌を乾燥させないためにはどのように対処するのがいいのか知ることが重要だと思います。

乾燥しにくい肌作りの基本にバランスのとれた食事はもちろん欠かせませんが、今回は肌の構造と化粧品でのサポートの仕方、手を洗った後の保湿、化粧品成分によって違いがあるの?などについて書いていきたいと思います。

まずは肌の基本的構造から見ていきましょう。

乾燥するとはどういうこと?

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こちらが肌の断面図です。1番上の皮脂膜が肌表面の空気に触れているところです。化粧品でよく見る「肌の奥深くまで浸透します※角層まで」の角層(角質層)は表皮の上から2段目のところ。

皮脂膜は汗と皮脂と皮膚常在菌によってできる天然の潤い物質で、弱酸性を保つことによって健康な肌を維持します。皮脂膜は手洗いや消毒で流れてしまい、なくなると肌はつっぱりを感じます。

消毒や除菌は悪いとされる菌やウイルスだけでなく、皮脂膜を作るのに重要な皮膚常在菌まで取り除いてしまいます。

通常であれば失われた皮脂膜は数十分でもとに戻りますが、何度も繰り返し手洗いや消毒が続くと戻りが遅くなり、肌がつっぱる状態が続きます。

角層には水分と油分が層になって重なっています。約20%は水分で、10%をきると痒みを伴う場合があります。セラミドなどを含む細胞間脂質と呼ばれる油分は約80%で潤いに大きく関わっています。

このように角層にバランス良く水分と油分が含まれていることによって体内の水分の蒸散を防いでくれたり、紫外線やウイルスなどの刺激から守るためのバリア機能としても役割を果たしてくれます。

食べ物の油汚れをすっきり流す食器用洗剤は、同じように私達の肌の油分も流してしまうのと、肌は水に触れる機会が増えれば増えるほど、肌の潤いを洗い流し、乾燥へと繋がってしまいます。

乾燥させないためにできること

食事でしっかり肌のもととなるたんぱく質を食べて、代謝にも関わるビタミンを摂り、潤いに欠かせない良質な脂質を意識して摂ること…などなど内側から肌を作るためにバランス良く食べることが大切です。

その上でできるのは洗いすぎないということ。保湿で何かを与える前に今ある皮脂膜や角層の潤いを守るところから始めていきましょう。

手に関してできることは、必要以上に消毒剤、除菌剤を使わないことです。室内に入って流水とハンドソープで手洗いができる環境であれば、その後の消毒は必要なく、ウイルス対策にはそれで十分だと言われています。

食器を洗うときはゴム手袋をします。大量に洗い物があってゴム手袋の中が蒸れそうな場合は中に汗を吸収してくれる綿の手袋をするとベストです。蒸れて出てきてしまった汗も水分なので、放置すると乾燥に繋がります。

そして水に触れたらしっかり水気を拭き取ってハンドクリームで必ず保湿しましょう。水分が残ってしまうと、その水分が蒸発するときに肌の水分も奪ってしまう可能性があります。

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手荒れしてしみる場合

手洗いや消毒をしすぎて手荒れして、しみてしまったり湿疹などで痒みがでてしまった場合などは皮膚科で診てもらうのをおすすめします。

化粧品のハンドクリームは健康な肌を維持するもの、薬用ハンドクリームは手が荒れないように予防として使用するものです。手荒れを改善、治すとなると医薬品の薬が必要になってきます。

そして水になるべく触れない努力が大切です。私の場合、学生時代飲食店のアルバイトで洗い物が続き手に湿疹のようなもなができて痛くて痒くて熱をもった状態が続きました。皮膚科へ通いましたが、結局は就職のためアルバイトを辞めたタイミングで肌は落ち着きました。

それでも職業や状況的に手洗い消毒をせざるを得ない方々もいらっしゃると思います。その場合は忙しいと思いますが手荒れを引き起こす前に、その都度保湿していただくことが大切です。

洗面所やキッチンにすぐ使えるクリームを置いておいて「濡れたら拭いて保湿する」を習慣付けるといいかもしれません。

好きな使用感や香り、使い続けられる購入のしやすさや金額、仕事用、普段の生活用、寝る前用など使用する状況によってお気に入りのものがあると良いと思います。

保湿におすすめ成分

ただ闇雲にハンドクリームを塗ってくださいだけだと専門家らしくないので、保湿するにあたって基本的な成分についてピックアップしました。ハンドクリームや化粧品を購入するときの目安にしてみてください。

肌に存在する潤い成分と似ている化粧品成分で保湿してあげると肌馴染みよく保湿することができます。

・スクワラン
皮脂膜にはスクワレンという構成成分があり近いものは化粧品成分名でスクワランとなります。スクワランはサメ類の動物性のもの、オリーブオイルなどからとれる植物性のものとあります。サラッとして馴染みが良いです。

・植物油脂
オリーブ果実油やマカデミアナッツ油、アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル)などの植物オイルです。皮脂膜の構成成分に近く馴染みやすいものが多いです。使用感はそれぞれなのでお気に入りのものを探してみてください。

・アミノ酸
角層に含まれる潤い成分は天然保湿因子(NMF)と呼ばれます。主な構成成分はアミノ酸です。商品によりますがライトな使用感のものが多めな印象です。みずみずしさがほしいときにおすすめです。

・セラミド
角層の細胞間脂質の約50%がセラミドです。年齢とともに減少傾向にあります。ヒト型セラミド、動物セラミド、植物セラミド、などが存在しますがお気に入りはヒト型セラミドです。表記はセラミド3やセラミドNPのようにセラミド◯◯(数字/英字)で表されます。しっとりしたい方におすすめです。

肌がカサカサ敏感になりかけているときは、ミネラルオイルやワセリンなど鉱物油が主成分のクリームやオイルがおすすめです。

・ミネラルオイル
肌に馴染むと言うよりは膜を張ってくれるようなイメージの鉱物油。鉱物油と聞いて悪いイメージを思い浮かべる方もいるかも知れませんが、しっかり精製されているので安全性が高く低刺激のもが多いです。

化粧品も裏側の成分を見ることでまた違った発見があるかもしれません。用途によって目的によって使い分けしてみてください。

これからの保湿事情

これからは今まで以上に手洗い消毒と保湿をセットで考えなくてはいけません。私はネイリストなので今までたくさんの方の手を見てきていますが、皆さんの手はそれぞれ本当に美しいです。

乾燥が気になったり、手を労ってあげたいときはネイルサロンで手肌のプロであるネイリストにスペシャルケアをお願いするのも良いかもしれませんが、それ以上に日々の保湿が大切です。1日でも長く手肌の潤いを守っていきましょう。

参考資料
厚生労働省HPより
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html
化粧品成分検定公式テキスト

肌悩み解決のきっかけになれたら嬉しいです😊